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茶道に心奪われし者

茶人 ランディー・チャネル 宗榮

茶道に心奪われし者

茶の心は一期一会

ランディー・チャネル 宗榮

ランディー氏は布袋をコレクションしている。その数は、茶道具や工芸品など合わせて3000点以上。古くは江戸時代の香合や、布袋竹で作られた茶杓など。棗はランディー氏のために作られたもの。京蒔絵師、下出祐太郎氏の作品だ

「日本文化のほとんどは観客として触れるものですが、茶道は交流があります。お茶をもてなす主人と、もてなされるお客の双方が揃わないと成り立ちません。そこが良いところです。人と人の出会いを茶でもてなすのが茶道であり、一期一会を味わえます。それから、お茶やお菓子の香り、味わいだけでなく、茶筅を振る音、釜の湯が沸く音、香の香りなどによって五感が満たされることも、日常からエスケープできる美しい茶室空間も魅力です」
 和敬清寂という茶道の心構えを表す言葉がある。主人と客が心和やかにお互いを敬いながら、清らかで寂かな茶の空間を保つことを伝えている。ランディー氏は、四つの文字の中でも「和」を重んじる。
「私は人間国宝の茶道具でも、無名のものと同じように扱います。人に対しても同じです。値段や身分は関係ありません。一番大事なのはお茶の心です。おいしい一服を差し上げたいという気持ち、心をこめて点てられたお茶をおいしくいただく気持ちを持つことが大切です。お茶会では主人も客も同じ立場であり、お互い心を合わせ和になることが、最高の時を作り出すのです」

茶道の種を蒔くために

ランディー・チャネル 宗榮 上京区にある梨木神社をはじめとする茶道教室では1000人以上の生徒を教えてきた。また、大学の教壇にも立ち、セミナー講師を請け負うなど、国内外問わずに茶道普及のために多忙な日々を過ごしている。
 そんなランディー氏が気になっているのは、講演やセミナー参加者の多くが、茶道を敷居が高く、堅苦しいというようにネガティブに捉えていること。茶道のメッカである京都ですら距離を感じると言う。
「茶道は楽しいと思っているからこそ続けています。その楽しさを知るきっかけとなる場所を持ちたいと思いました。気軽にお茶を味わい、茶道に触れ、そこから興味が広がっていくような、そう、茶道の種を蒔く場所です」
 思いを叶えるために、築100年ほどの京町家を改装し「らん布袋」を開業。茶道教室はもちろんのこと、気軽に体験できる茶会を行っている。ランディー氏の点てる茶をいただきながらの茶道体験は好評で、世界各国の幅広い年齢の客が茶道に触れてきた。
 ランディー氏は茶道の種蒔きが役目と言い切る。日本人ではない彼が異国の文化である茶道に誠実を尽くす姿から、日本人の感性による茶の心、もてなしの心を絶やさないようにしなければならないと思わされる。


ランディー・チャネル 宗榮らん布袋

京都府京都市中京区上瓦町64
京都三条会商店街内
☎075-801-0790
www.ranhotei.com

 

1階は、抹茶と和菓子のセットの他、抹茶のラテやカプチーノ、スイーツなどを楽しめるカフェとして営業している。中庭を眺めながらゆったり寛げる空間が広がる。茶道体験は随時受け付けているので、気軽に問い合わせてみるといい

文|竹井雅美(編集部) 撮影|バンリ

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