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女性医師が加わった安心して妊娠、出産できる環境

女性医師

4回以上の受け入れ拒否

 昨年あたりから頻繁にメディアに取り上げられている妊婦のたらい回しに関するニュース。消防庁が発表した平成20年救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査では、妊婦の搬送が全国で約2万4千件、そのうちの約1千件近くが「4回以上」受け入れ拒否されているという。東京都内でも脳出血を起こした妊婦が8つの病院に受け入れを断られ、ようやく受け入れられた病院では、遅すぎた処置のため、子供は助かったものの母親は死亡している。優れた医療機関が集中する首都圏で起きたことで多くの人が驚き、産科医減少の問題への危機感が高まった。

女性医師

産科医療施設、医師の減少

 出産を扱う医療施設の数は、出生数よりも、はるかに早いペースで減っていると言われている。 医療施設が減っているのは、産科を選択する医師の減少が背景にある。出産は24時間体制。休日や深夜も関係なく、当直になると3日間の連続勤務も珍しくない。さらに出産年齢が高くなっていることや不妊治療による多胎妊娠など危険を伴う出産は増え、どれほど献身的に努力をしても結果によっては訴えられることに。最近の訴訟の多さも産科医減少の一因と言われている。「産科施設の減少はこの地域でも例外ではありません」と話すのは中根産婦人科の浅野順子副院長。特殊手術の必要な患者の緊急転送に何件も断られた経験があるという。緊急時に備えて名古屋第二赤十字病院をはじめとするいくつかの病院と提携しているが、それでもリスクの高い患者には早い段階で病院を紹介している。また、実父である中根茂雄院長と浅野氏はクリニックと同じ敷地内に住居を構えて、いつでも患者に対応可能な環境を実現。昨年から高木孝医師が加わり、3人の医師体制にすることでこれまで以上に安全性を高めている。

産科医療施設

安心できる妊婦サポート

 中根産婦人科は産科医療問題が取りざたされる以前から安全な体制とホスピタリティのある環境づくりを目指してきた。
 妊娠がわかった時の驚きは喜びに、身体の大きな変化は子供がお腹にいることを実感する嬉しさになる。しかし、妊娠中は体調管理に気を配り、神経は過敏に、気持ちは不安定になりやすい。こんな時は経験者からの言葉が安らぎをもたらす。
 浅野氏は第1子、第3子を中根産婦人科で、第2子はアメリカで出産した3児の母親。特に環境の違うアメリカでの妊娠中は切迫流産や予定日超過などを経験し、不安で心配な日々を過ごした。妊娠の辛さや楽しさは経験してみないとわからない特別なこと。経験者として患者の気持ちがわかる浅野氏は信頼性があり、適切な助言に安心できる。

女医による産婦人科のこれから

 昨年、浅野氏は女性外来を開設。新設した特別診察室で「レディースドック」と「婦人科相談」を行っている。完全予約性で待ち時間はなく、レディースドックは年代別のクリニックを気軽に受けられ、女性の医師が担当するということから患者の反応は良く、問い合わせも多いようだ。「エステや美容院へ通うように、婦人科で定期的に、健康管理ができるといいですよね」。
 すでに実現させている小児科の併設など中根産婦人科の取り組みはまだまだ進行形。「これからの産科医は安全な出産のサポートに加えて、安心して子供を産み、育てられる環境を提供することが重要だと思います」。優しく微笑む浅野氏のビジョンは決まっている。
 医師、妻、母親の3役。家族とスタッフの強力なサポートがあるからできるといっても、並大抵のことではない。それでも「自分の人生を豊かにしてくれているのは3人の子供達」。そんなかけがえのない子供達のために、そして毎日の感謝の気持ちが「患者のための診察」に望ませているという。浅野氏の女性医師としての自信は、産科医療に明るい未来をもたらしてくれそうだ。


医療法人 中根産婦人科医療法人 中根産婦人科(産科・婦人科・小児科)
愛知県名古屋市緑区相川2-126
TEL 052-895-1177(代) www.nakanesanfu.or.jp
※急患、入院、分娩は24時間受付

文:竹井雅美(編集部) 撮影:間宮 博(ピー・アンド・ピー)

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