ホーム / Intercity / 都市 / 近くて遠い隣の大国~中国 北京・桂林~
近くて遠い隣の大国~中国 北京・桂林~

近くて遠い隣の大国~中国 北京・桂林~

漓江を下る遊覧船からは広告などにも使用された墨絵のような桂林の景色が望める

桂林~Guilin~

 北京から空路3時間半。墨絵の世界を想像して桂林空港に降り立つと、道路沿いに掲げられたたくさんの住宅広告に戸惑うかもしれない。近年桂林市周辺では人口が増え、新しいマンションが次々と建てられており、不動産価格も上昇しているという。
桂林は広西チワン族自治区の東北部に位置する山に囲まれた都市で、街の南北を流れる漓江沿いの雄大な景色が観光名所となっている。ベトナム戦争時に逃げてきた人が多くベトナム語の学校があったり、スパイスを効かせたビルマ料理の店が多かったりと、国境の向こう側の世界を感じさせる。
 多くの日本人がイメージする、切り立った山の間に霧が立ち込めゆったりと川が流れる景色に出合いたければ、漓江を渡る遊覧船に乗るのがベストだ。いくつかのポイントで停泊し、船内で昼食を取りながら、飲料会社のテレビコマーシャルに使われた場所、中国の紙幣に描かれている場所など、多くの有名スポットを見ることができる。
 ユーロン川のバンブーラフティングなら、より山河を近くに感じられる。数本の竹を組んだだけのシンプルないかだにくくりつけられた椅子に腰かけ、ときおり膝まで水しぶきを浴びながら、船頭の操縦で川を下る。水位の低い時には川に飛び込んで自らいかだを押すこともある力強い船頭だ。川の両側にそびえる山の緑がまぶしく、水面に映る景色を水面の高さで満喫することができる。川辺には山を背景に結婚写真を撮るカップルが何組もいる。中国人にとっても絶好のフォトスポットなのだ。

いかだに乗ってゆったり山河を下るユーロン川のバンブーラフティング

 遊覧船の停泊地でもあり、バンブーラフティングの到着地点でもある陽朔は、巨大なスケールのショー「印象劉三姐」の開催地として名高い。映画監督の張芸謀氏がプロデュース、北京オリンピック開会式の演出などを手掛けたチャン・イーモウ氏が演出を手掛け、構想に5年半、製作に3年を費やしたショーで、2004年の公演開始以来すでに20万人以上を動員したという。2キロメートルにわたる漓江水域とその背後にある12の山を自然の舞台とし、古来より歌を得意としていた地元の少数民族が500名以上出演して、高度な照明技術や音響演出によりハリウッドさながらのスペクタクルを繰り広げる。毎晩開催され、季節によって2度行われる日もあるが、およそ2000ほどある観客席は満席だそうだ。終演時間が遅く、桂林市中心部からは車で1時間近くかかるため、日本からのツアーではなかなか立ち寄ることができない場所だという。
 桂林市内の漓江沿いに2010年3月にオープンしたシャングリ・ラ ホテル桂林は、市内中心部へ10分、空港から35分とアクセスに優れ、漓江を見渡す景色にも恵まれたラグジュアリーホテルだ。449の客室とスイートルームを備え、シグニチャー・レストラン「香宮」では贅を尽くした中国各地の料理を供している。2000人収容のバンケット施設を備え、会議利用やウェディングの需要も多い。
 朝目覚めると漓江沿いのにぎわいに気づくだろう。朝市が開催され、地元の農家などが野菜や果物、肉や魚、肉まんやちまきなどを持ち寄り売っているのだ。一人っ子政策の対象ではない少数民族であるため、ほとんどの人が2~3人の子供を連れている。決して金銭面で豊かな暮らしには見えないが、活気あふれる光景だ。

 日本企業と仕事をしているという中国人が日本語でこう話していた。
「中国には56の民族がいると言われますが、実は57の民族がいるのです。最後のひとつは、不満族(足)です。もっと豊かになりたい、もっと良い生活をしたい、たくさんの中国人はいつもそう思っています。現状に満足することはないのです」

左から:(1)(3)地元の民族衣装を身にまとったスタッフが出迎えるシャングリ・ラ ホテル 桂林の客室は、漓河あるいはホテル自慢の庭のどちらかに面している。シャングリ・ラ ホテル 桂林 www.shangri-la.com/jp(2)漓河と12の山をそのまま舞台として繰り広げられる広大なスケールの「印象劉三姐」は必見


【Data】
中華人民共和国
人口:約13億人/面積:960万平方km/首都:北京
人種:漢民族(92%)および5の少数民族/政治体制:人民民主共和制
主要産業:繊維、食品、化学原料、機械、非金属鉱物
GDP:7.8%(2012年。中国国家統計局発表)

北京市
人口:2069万人/面積:16,800平方km
アクセス:東京から飛行機で約4時間(直行便)

桂林市
人口:508万人/面積27,797平方km
アクセス:北京から飛行機で3時間半。東京から広州あるいは上海経由、大阪から広州あるいは上海経由など

文・写真:羽田祥子(編集部) 写真:小林邦寿<1P目(2)(4)(5)、2P目(1)(2)>

Scroll To Top