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近くて遠い隣の大国~中国 北京・桂林~

近くて遠い隣の大国~中国 北京・桂林~

故宮博物館の獅子。雌雄一対になっており足の下で「守っている」ものが地球ならば雄、子どもならば雌。踏みつけているのではない

北京~Beijing

 四国とほぼ同じ16,800平方kmの広さに約2000万人が生活する北京。2008年のオリンピック開催に合わせ、龍を模した新国際空港が完成し、全長約260kmに及ぶ全15線の地下鉄網が整備された。道路整備も進行しているが、2012年初頭には自動車保有台数が500万台を突破し、朝8時と夕方5時をピークとする通勤ラッシュ時には車が隙間なく道路を埋め尽くす。
 北京には6つの世界遺産がある。故宮博物院は1987年に世界遺産に登録された。かつて紫禁城と呼ばれた現在の故宮は、明王朝の時代に15年間かけて建設され、1421年の完成とともに南京からの遷都が行われた王宮だ。その後清王朝に引き継がれ、辛亥革命を経て溥儀が追放されたのちに中華民国政府に接収され、1925年から故宮博物院として一般公開されている。幅50メートルの濠と高さ10メートルの塀に囲まれた約72万平方mの敷地は、公式行事などが行われた外朝エリアと皇帝一家の生活スペースであった内廷とに分かれ、収蔵する文物は93万点を超える。外からの侵入を防ぐため地面には10メートル以上の厚さに石畳が埋め込まれているという。当時の権力争いの壮絶さの一端を垣間見ることができる。天安門広場に面した午門から真っすぐ北の神武門へ抜ける最短コースを通れば、2時間程度で見学することも可能だ。
 1949年10月1日、毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言し、群衆が歓声をあげた天安門広場。南北880メートル、東西300メートルの広場には50万枚の長方形の石畳が敷き詰められ、大規模集会の際に目印として使われている。一枚の石畳にゆったり1人ずつ並ぶと50万人、ぴったり2人ずつ並ぶと100万人が整然と列をなすことができるのである。各国の旗を掲げたツアーグループが入り混じっているが、圧倒的に多いのは中国人観光客だ。広場中央にある毛沢東の遺体を安置した毛主席記念堂にはいつも中国人の長い行列ができている。
 天安門広場からほど近い、以前アメリカ大使館だった場所に、レストランやブティックなどを集めた新しい施設が誕生した。高級時計のブティックや、美しい内装の雲南料理レストラン「ロスト・ヘブン」などが手入れの行き届いた芝生の中庭を囲んで立ち並ぶ。観光拠点の近くの新スポットとして人気を集めそうだ。
 科挙の時代から厳しい試験制度で知られる中国だが、現在も大学受験の激しさは変わっていない。北京大学は、優秀なエンジニアを輩出する精華大学と双璧をなす最高峰の大学として名高い。ほとんどの学生は敷地内の寮で生活しており、その外観は築50年超の公団アパートといった風情だ。4~6人部屋が主で給湯施設や風呂は備えられていない。キャンパス内では着替えや大きなポットを手に風呂や給湯所に向かう多くの学生が行き交い、昭和の街並みの雑踏を彷彿とさせる。夏休み終盤の取材時、教室は自習する学生で埋まっていた。学生に将来の希望を聞くと、「国の発展のために尽くしたい」「医学の勉強を極めて教授になりたい」などまっすぐな答えが返ってくる。雑踏から少し離れた場所に国の史跡にも指定された広大な公園があり、落ち着いた雰囲気を醸し出している。カップルが池を眺める石のベンチに肩を寄せ合うように座っていた。学生カップルの定番デートスポットだそうだ。
 北京市の中心部、中国世界貿易センター内に高くそびえるチャイナワールドタワーの上層階に、チャイナワールド サミットウィング 北京がある。81階のロビーフロアの大きな窓からはビル群やその間を忙しく行き交う車を別世界のように眺めることができる。4階の「ザ・レッド・チャンバー」で自慢の広東料理を堪能した後は、最上階にあるバー「アトモスフィア」へ忘れずに訪れたい。ゆったりとした空間で音楽に酔いしれながら夜景を味わう。勝ち組の雰囲気を漂わせる中国人ビジネスパーソンの姿も多い。

左から:(1)東京大学の赤門を思わせる北京大学の門(2)常に自動車があふれる北京市内の道路。歩道橋から見下ろすと壮観にさえ感じる(3)地上から見上げると巨大な中国中央電視台(CCTV)のユニークな建物も、チャイナワールド サミットウィング 北京からは足元に

左から:(4)ワインが自慢の「Grill 79」で舌鼓を打って。チャイナワールド サミットウィング 北京 http://www.shangri-la.com/jp(5)バーやクラブなどが多く若者に人気の三里屯エリアはチャイナワールド サミットウィング北京から車で10分。深夜まで人が絶えない


【Data】
中華人民共和国
人口:約13億人/面積:960万平方km/首都:北京
人種:漢民族(92%)および5の少数民族/政治体制:人民民主共和制
主要産業:繊維、食品、化学原料、機械、非金属鉱物
GDP:7.8%(2012年。中国国家統計局発表)

北京市
人口:2069万人/面積:16,800平方km
アクセス:東京から飛行機で約4時間(直行便)

桂林市
人口:508万人/面積27,797平方km
アクセス:北京から飛行機で3時間半。東京から広州あるいは上海経由、大阪から広州あるいは上海経由など

文・写真:羽田祥子(編集部) 写真:小林邦寿<1P目(2)(4)(5)、2P目(1)(2)>

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