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【ある女性経営者のグローバル視点】女性は「フラット」が気持ちいい?

【ある女性経営者のグローバル視点】女性は「フラット」が気持ちいい?

社会人になって

女性がフラットな関係を好むという性質は、社会に出てみると、社長を筆頭に役員、部長、課長、平社員というピラミッドを築く会社組織はもちろんのこと、多くの業界の組織構造でも相いれないものとなってしまいます。女性がなかなか組織になじめずに辞めてしまったり、管理職に登用されるのを拒んだり、ようやく登用された途端、心身ともに病んでしまったりする例が多いのは、この性質と切り離せない関係にあるように思います。

「2020年30%」という目標…

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内閣府・男女共同参画推進連携会議において、「社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標が閣議決定されました。しかしながら、現時点で指導的役割に女性が占める割合が30%を超えている分野は下図の通り、薬剤師と審議会の委員のみという状況です。
さらに、日本の企業における女性役員比率を他国と比較してみた場合、日本の特異性が際立ちます。お隣韓国も2000年代末までは日本と同水準だったのが、2006年に「積極的雇用改善措置」を開始し、大企業に、女性管理職比率等の提出を義務付け、規模別・産業別の平均値の60%未満の企業に対して改善命令を出すなどした結果、年率1%で女性管理職比率が上昇しました。
このように母数として女性管理職が少ない状況の中で、そもそもヒエラルキーに不慣れな女性が先頭ランナーとして幹部に登用されたとしても、登用された女性も然ることながら、登用されなかった女性、あるいは部下となった女性、それぞれが居心地の悪さを感じたまま仕事を続けるという状況がありうることがお分かりいただけるかと思います。

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こういうことを申し上げることで、「だから女性は使いにくい」「やはり女性を幹部に登用するのはやめよう」という結論になるのは、まったく本意ではありません。女性を幹部に登用するやり方について申し上げたいのは、もし本気で女性に活躍してほしいと考えるのであれば、先頭選手ではなく、先頭集団を作ってあげてほしいということと、組織の階層を減らすなど再編することの両方を模索していただきたいということです。うまくいくかどうか分からないから、試しに一人昇進させてみて、うまくいったらその人をロールモデルにして後輩女性に追随させよう、という段階的な昇進のさせ方ではToo little too lateだと思うのです(いつぞやの金融機関に注いだ公的資金ではないですが)。
起業して組織のトップとして長年活躍されている女性や、大企業の中で昇進を遂げてトップや役員として活躍している女性など、わたくしの周りにも何人かそうしたロールモデルとなる先輩もいらっしゃり、皆様一様にとても素敵に輝いていらっしゃいます。ただ多くの女性の視点から見ると、そのロールモデルの数自体が少ないだけでなく、そうした方々が「すごすぎ」てしまうがために、「特別なポジション」のように捉えられてしまい、やりがいのあるポジションに手を挙げることをためらうのだとすると、それはもったいない話だと思います。
既存のヒエラルキーで何十年とやってきた企業が一朝一夕に変わることは難しいと思いますし、育児環境の整備や周囲の大人の社会通念が変わるには時間がかかります。もちろん、何より女性自身も、マインドセットを変えていかないといけないと思います。そうした中で、優秀な女性に活躍してもらうためには、組織のフラット化や女性を塊として昇進させるなどの工夫も検討してみてはどうかと提案する次第です。


竹内 明日香(たけうち・あすか)
日本興業銀行(現みずほFG)にて国際営業や審査等に従事後、2007年独立、海外向けに日系企業の情報提供を開始。2009年にアルバ・パートナーズを設立し、国内企業の海外事業支援と情報発信支援(プレゼンサポート等)を提供。2014年12月に次世代の世界での発言力向上を目指す一般社団法人「アルバ・エデュ」を設立。音羽の森オーケストラ「ポコアポコ」(アマチュアオーケストラ)主宰。東京大学法学部卒業。日本証券アナリスト協会検定会員。

 

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