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【ある女性経営者のグローバル視点】ウェブサイトは会社の顔 ~間違ってるぞー! と叫ばれないために~

ある女性経営者のグローバル視点

【ある女性経営者のグローバル視点】ウェブサイトは会社の顔 ~間違ってるぞー! と叫ばれないために~

仏の顔は何度まで?

企業のウェブサイト(ホームページ)は、最近ではとても充実しているものが多いですよね。子どもには馴染みの薄そうな会社であっても、キッズ向けサイトを設けて業界などの仕組みを解説しているところもあったりと、つい先月まで夏休みの自由研究の手伝いに追われていた身といたしましては、そのコンテンツの充実度合いに本当に頭が下がる思いです。
私自身はお客様の情報発信をお手伝いするという観点から、ウェブサイトでの「見せ方」についての相談を受け、同業他社サイトなどと比較してご提案したり、実際にコンテンツを充実させたりというサポートをしておりまして、上場企業のIRサイト( 投資家向け情報)を始め、日々多くのページを拝見しております。あちらこちらの企業サイトの閲覧を続けてきますと、企業の業績や評判とはまた別の観点から、むむむ? と思うようなサイトにも遭遇します。
例えば発表済み「決算短信」の訂正̶̶。短信に後日訂正が入ることは昨今よくあるのですが、そうした訂正が過去複数回続いていたケースを目にしたりしますと、その会社の発表する数値はおろか、「財務や経理の人員は足りているのだろうか……?」と、老婆心ながら会社の体制にまでも心配が及んでしまいます。短信訂正の裏側を見ると、経理部門と監査法人とのやり取りの中で出てきた数値等の差異が原因である根本的なケースはむしろ限定的で、実際は、字句の間違いや数字の桁数の間違いといった、いわゆる軽微な事務的ミスが多いようです。しかし見方を変えると、こうした軽微なミスは、上場企業の「決算短信」だからこそ、わざわざご丁寧に訂正の発表がなされているわけで、例えば企業の発表する「プレスリリース」など、法制度上の要請がないコンテンツにおいては、訂正などされずに放置されたままウェブに掲載されている(あるいは知らぬ間に差し替えられている)なんていう状況も実は多いのです。

単純誤植も、数によっては信用失墜に……!

 社会人が目にする活字の中でも、新聞にはこうしたミスがほとんど見られません。以前、某新聞社がオンラインで「北海道でインド5強」と見出しを誤発信した(正しくは「北海道で震度5強」)ことを、元同僚が飲み会で話のネタにしていましたが、まぁそれは、そのこと自体がネタになりうるほど珍しいことだからなのであって、新聞は、他の書籍や雑誌に比べても軽微なミスが群を抜いて少ない媒体だと思います。書籍や雑誌も、編集プロセスにきちんと校正を入れてあるものは、こうしたミスが極力抑えられていると言えるでしょう。
ところが企業が日々対外的に発信するコンテンツとなるとどうか? 例えば先にも述べた「プレスリリース」̶̶。発信する企業側にとっての最優先事項は、「そのニュースバリューを如何に上手に、しかるべきタイミングで訴求するか?」ということでしょうから、広報部門が、限られた時間内で関係部署と折衝しながら作りこんでいく中で、最終的なチェックはあるとはいえ、どうしても軽微なミスは見落とされやすい部分なのかもしれません。実際に、誤字・脱字や、体裁面での崩れ(段落によって1マス空けで開始されている段落があったり左寄せで開始されている段落があるなど)……などなど、こうしたミスを残したままウェブサイトに掲載しているケースをまま目にします。場合によってはこうしたミスが「群」となってウェブ上で露呈されてしまうわけです。きゃー!
「そんな重箱の隅をつつくような細かいミス、誰も気にしないでしょ!」っていう方も多いと思います。そう、確かに人によってはどうでもよい瑣末な部分かもしれません。でも、思い出してみてください。小学校に入りたてのお子さんは、最初は短い文章を書くのに四苦八苦していて、鏡文字があったり、濁点や半濁点を打ち忘れていたり、やたら句読点だらけだったり、大人ではまずしないような間違いを乱発し、「おーい、大丈夫かー?」と心配になったりしませんでしたか? あるいは時々アジアの国なんかで、「パイナシプルケシキー(パイナップルクッキー)」とか「フツトマツサニヅ(フットマッサージ)」みたいな奇妙な日本語の暗号文に遭遇し、「おーい、間違ってるぞー!」と叫びたくなってしまったことはありませんでしたか? さすがに日本企業のウェブサイトは、日本語ネイティブの大人が作るコンテンツですし、今ではありがたいことにPCが変換してくれますから、こういったレベルのミスは皆無に近いと思いますが、細かいことは気にしないおおらかな人にとっては瑣末でも、気になる人・目に留まる人にとっては、「おーい、間違ってるぞー!」の内なる声をグッと呑み込みながら読んでいたりする場合もあるかもしれないということです。きゃー!


竹内 明日香(たけうち・あすか)
日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)にて国際営業や審査等に従事後、2007年に独立し、海外向けに日系企業の情報提供を開始。2009年にアルバ・パートナーズを設立し、国内企業の海外事業支援と情報発信支援(プレゼンサポート等)を提供。東京大学法学部卒業。日本証券アナリスト協会検定会員。

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