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ワクチンで自衛力~Self – Defense with Vaccine~

ワクチンで自衛力~Self – Defense with Vaccine~

 セキュリティにセンシティブな社会を実現するには中学・高校のICT教育の一環に「最悪のケース」もしくはクラウド・コンピューティングの向こう側を疑似体験することが肝要だろう。ケースシナリオの巧拙にも依存するが、中高生自身に冷や汗をかいてもらうことが目的だ。例えば、病院のカルテや自治体の個人情報の管理者の役割を担っていながら情報が漏えいした場合、利用者にどれほどの被害があるのか学んだり、自身が撮影した写真や友達とのメッセージのやり取り、一日で動き回った位置情報などがクラウド側の管理者には丸見えであるという舞台裏を覗いたりすることだ。シミュレーション上ではあるが、怖さを体験することでICTの利用者、システムの構築側のいずれの役割に将来なったとしても、安全に関しては一定の注意を払うようにはなるだろう。毒性を弱めたワクチン教育を受けることで、ICT内にうようよとさまようウィルスへの耐性を持つことができる。
 ICTへの接触度、依存度が人生の相当部分を占めるようになりつつあるため、省庁の一部機関の少ないリソースで情報セキュリティ保全や犯罪抑止を行うのはすでに限界だろう。道路や橋梁、建築物の安全基準と同じように、情報セキュリティ防御策に関して国を挙げて強化することは安心・安全な社会の構築に直結する。また高い情報セキュリティ技術と良心を持ち、ダークサイドと戦うエンジニアは、大いに敬意を払われるべきであり、所得や呼称(例:一級情報技術士)も改善の余地がある。
 現実、仮想のいずれの世界であっても守るべきものがあるのであれば、重大事案が発生するまえに自衛力を高めることは世の必然である。


文|本丸達也(発行人)

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