ホーム / Business / 経済 / プレパラート オリンピックで結婚・出産は増える?~若年層の結婚観
プレパラート オリンピックで結婚・出産は増える?~若年層の結婚観

プレパラート オリンピックで結婚・出産は増える?~若年層の結婚観

preparate_img_3

背景③草食系男子と自立系女子のミスマッチ

 女性で恋愛への興味が薄れている背景には、経済力が下がり草食化している男性に興味がわかないこともあるだろうが、仕事や学業に励む女性が増加していることもあるだろう。
 女性では以前は短大進学率の方が大学進学率より高かったが、1996年に逆転し、大学進学率は男性を追随するようになっている。それに伴い、30歳前後の女性の就業率も上昇し、男女の可処分所得の差も縮小している。30歳未満の単身勤労世帯では男性の可処分所得を女性が数千円上回ったとの調査結果もある。
 しかし、女性の自立力が増す一方で、日本では依然として、多くの女性はなんとなく男性にリードしてもらいたいと思っている印象もある。
 未婚化の背景には、自立系女子をリードできるような男性が減少していること、また、自立系女子でなくとも、そもそも女性たちの求める経済力を持つ男性、頼りがいのある男性が減少している、という男女の組み合わせのミスマッチがあるだろう。

若年層に安定的な雇用の確保を

 以上、未婚化・晩婚化の背景をみてきたが、価値観やライフスタイルの変化はありつつも、「①若年層の経済環境の厳しさ」が「②異性との交際の消極化」や「③草食系男子と自立系女子のミスマッチ」にも大きな影響を与えているようだ。異性との交際の消極化を解消するためにも、男女の組み合わせのミスマッチを解消するためにも、まずは経済環境が整っていることが必要である。
 現在、成長戦略の中核として「女性の活躍」が位置づけられ、女性の活躍を推進するための政策検討が進められている。
 人口減少社会にある日本で将来の労働人口を確保するためにも、また、少子化に歯止めをかけるためにも女性の雇用環境の整備は必要だ。出産後の就業継続率が低い現状では、育休整備、保育園の待機児童の解消等は必須であるし、個人的にも期待している。しかし、経済環境が整わないために、そもそも結婚もせず、子どもも持たずにいる若者たちも多い。
 若年層に安定的な雇用を確保することは、労働人口を確保するためにも少子化に歯止めをかけるためにも、入り口となる課題ではないだろうか。五輪開催はアベノミクス成長戦略の第四の矢、日本経済回復の起爆剤として期待されている。2020年に向けて様々な政策検討がすすむ中で、オリンピックに向けて結婚・子どもをのぞむ若者たちのために、喫緊に若年層の安定的な雇用の確保を求めたい。


kuga久我 尚子(くが・なおこ)
株式会社NTTドコモを経てニッセイ基礎研究所入社。生活研究部門研究員。専門は消費者行動、心理統計学、金融マーケティング。早稲田大学大学院(工学)・東京工業大学大学院(MOT:技術経営、学術)修士課程修了。東京工業大学大学院博士課程在籍(学術)。

Scroll To Top