ホーム / Business / 経済 / 【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.6「SPEC女子の恋愛成術を斬る」
【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.6「SPEC女子の恋愛成術を斬る」

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.6「SPEC女子の恋愛成術を斬る」

*Case2.SPEC女子Pちゃん* 「エースをねら・・・うなっ!」

だんだんとSPEC女子たちの波にのまれ始めたCちゃんは、数日前の合コン話を持ち出した。
「メンズは某メーカー勤務。こちらは私と会社の女子たちで、5対5のコンパだったの。そしたらメンズの中に、誰がどう見てもずば抜けてイケメン!が1人いたわけ。当然女子はみんな彼を狙うかなと思ったんだけど、あえてそこは避け、うまい具合に他のメンズに散って、なかなかいい雰囲気に。結局、私がそのイケメンとお近づきになってラッキーと思ったんだけど、何だかドキドキしちゃってあまりうまくいかず、その後進展はなし……」
この話を聞いたSPEC女子・Pちゃんは「あったりまえじゃん。エースを狙うと勝率は悪くなるわ、緊張するわでうまくいかないものよ。まわりの女子たちは賢い!Cちゃん、『ゲーム理論』知らないの?」と、今ドキ合コン必勝法を説き始めた。
20世紀半ばに確立されたゲーム理論。「ナッシュ均衡」「囚人のジレンマ」など、聞き覚えのある人も多いはずだ。この理論はおもに、他者の思惑により互いの好みがうまく反映されないという社会的軋轢を回避するために用いられる。Cちゃんが行った合コンをモデルに例えてみよう。女子が皆、イケメンを集中的に狙えば、当然勝率は下がる。そればかりか、一度賭け的にイケメンにトライし、その後、他のメンズに向かっても、“どうせイケメンの後だろ”とひねくれられてしまう可能性もある。そこで助っ人として登場するのが、「人の好みには立ち寄らず、与えられた好みを最大限に活かす」というゲーム理論のテーゼ。要は、ホットスポット(イケメン)には最初から触れず、その他のメンズの中からどんなに小さなことでも自分の好みに合う要素をもつ者を選ぶことが、確実な勝利(彼氏)のゲットに繋がるというわけだ。さらにPちゃんは続ける。
「そうやってゲーム理論でメンズを選んでみると、行きつく先は自分にとって高SPECな彼だから不思議なの。やはり人は見かけじゃなくて、いかに互いのオリジナリティに寄り添えるかというフィーリングこそ大事だと実感するね」
ちなみにこのゲーム理論、近年では、検索エンジンや周波数オークションなど実際のビジネスに応用される事例が増えている。また、公立中学における学校選択や雇用のミスマッチの解消など、ビジネス以外の政策への展開も広がりつつある。
「結局、どこまで妥協できるかってこと?」というSちゃんに、「ちが~う!どこまで自分の好みを“掘り下げられるか”ってこと」とPちゃん。同じようにも聞こえるが、ここはPちゃんのようにポジティブシンキングでいくとしよう。

*Case3.SPEC女子Eちゃん* 「今モテは、不二子ちゃんより草食女子!」

ここまでSPEC女子2人から恋愛手解きを受けたCちゃん。未だ口を開いていないEちゃんからもテクを乞うべく、「Eちゃんは大人しい性格だけど、彼氏がいるってことは恋愛はもしかして肉食系?」と問いかける。それに対しEちゃんは、「まっさか。例え誰かを好きになっても自分からはいかないし、いけない。それに自分が緊張するようなイケメンタイプには端から近づかないようにしてるしね。もうどんどん草食化していくばかり……。そういう意味では、今、付き合っている彼も草食系だから一緒にいて波長はすごく合う」と、草食カップルの心穏やかな恋愛ライフを漏らす。
今や、男性(30代・未婚)の4人に3人が自らを「草食男子」と名乗る時代(図3)。その人口増に伴い、近年では草食女子並びに、草食カップルも増殖中なのだ。

 そこで今ドキ男子たちに、肉食派と草食派、どちらの女子が好みか聞いてみると、「肉食女子は明るくて好感がもてるけど、付き合うと疲弊しそう」「結婚するならダンゼン草食女子!一緒にいてラクそうだもん」「草食女子の恋愛に奥手なところが逆にかわいい」と、草食女子人気を裏付ける声が目立つ。

 総じて、Cちゃんは自らの恋愛ヒストリーを振り返り始めた。「たしかにこれまで、見た目重視で王子様ばかり選び、その結果攻めすぎて引かれたり、追いかけすぎて自分が疲れてしまうことばかりだったかも……。今日から私もSPEC女子として、自分が心地よくいられる高SPEC男子探索、がんばるぞぉー!」とクリスマスに向け、(まだまだ肉食系の)決意を新たにしたようだ。
少し切なさを感じる秋の夕暮れには、何も言わずとも隣にいるだけでホッとする、そんな相手とのSPECIALな恋を。

文|松永理佐(編集部)

Scroll To Top