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造り酒屋を訪ね愛知高原・奥三河へ

旨い日本酒を味わう旅

造り酒屋を訪ね愛知高原・奥三河へ

愛知県東部の愛知高原と奥三河は、自然豊かな山間の地域で、山里の魅力に溢れ、湯谷温泉や徳川家康が祀られる鳳来山東照宮など観光名所にも恵まれている。
この地は南アルプスの西のふもとに位置することから、良質な水や米が手に入り、古くから日本酒造りが盛んで、多くの造り酒屋が生まれた。
時代の流れとともにその多くが姿を消してしまったが、まだまだ魅力的な造り酒屋が残されている。
今回、その中からこだわりを持つ3つの造り手を訪ねた。

伝統の技に新しい技術を加えた現代的な酒造り

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 その入手の困難さから「幻の日本酒」と呼ばれる「蓬莱泉 空(ほうらいせん・くう)」は、良質な酒米・山田錦の芯のみを使用し、一年かけて低温でじっくりと熟成する純米大吟醸。全国的にも知られる日本酒ブランドの一つだ。

(上)洗米と浸漬は厳密な時間管理の下で行われる。この作業により酒の味が決まるとか (中)麹米は蒸した米に種麹を振り、およそ50時間かけて麹菌を繁殖させる。日本酒造りでもっとも重要な工程にも最新の技術が投じられている (下)通常精米で削るのは25%ほどだが、関谷醸造では惜しみなく35%を削ることで品質を高めている

(上)洗米と浸漬は厳密な時間管理の下で行われる。この作業により酒の味が決まるとか
(中)麹米は蒸した米に種麹を振り、およそ50時間かけて麹菌を繁殖させる。日本酒造りでもっとも重要な工程にも最新の技術が投じられている
(下)通常精米で削るのは25%ほどだが、関谷醸造では惜しみなく35%を削ることで品質を高めている

「私たちが目指す品質を実現するには、どうしても限られた数量しか製造することができません。この『空』にとって一番最適な時期に販売したいと考え、現在も期間を限定して出荷する状況が続いています」と説明してくれたのは、「空」を製造する関谷醸造の専務取締役・遠山久男氏。
「世に出て既に30年を超える商品ですが、現在でも人気が継続できていることは驚きとともに、造り手として本当に嬉しい限りです」と言う遠山氏の言葉には、人気商品だからといったおごりは微塵も感じられない。 
 この「空」をはじめ、人気の日本酒を数多く抱える関谷醸造は、1864年の創業以来、奥三河の豊かな自然の中で米の旨みを生かした高品質な酒造りを実践している。
 現会長が父親から関谷醸造を任された約35年前、日本酒の将来を見据えて、良質な米のみを仕入れ、自家精米でしっかりと米を磨き、地元での杜氏育成に励むなど、とことん品質向上にこだわるとともに、機械化や合理化にも積極的に取り組んだ。すべては他の蔵元との差別化を図るためだった。
 昭和50年頃を境に全国的に酒蔵の製造量が減少していく中、この品質向上や合理化による先見の明が功を奏し、関谷醸造はその後も順調に製造量を増やし、10年前には今回訪問した吟醸工房を建築して増産体制を強化するほどまでに成長した。真摯に酒造りに取り組んできた結果だといえる。
 現在では、全国でも珍しい少ロット生産による日本酒のオーダーメードを実現するなど、新たな日本酒文化を発信する蔵元としても注目されている。

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関谷醸造 吟醸工房(稲武工場)
愛知県豊田市黒田町南水別713
☎0565-83-3601
営業時間 10:00~18:00(土日祝9:30~)
定休日 無休
www.houraisen.co.jp
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「山里の魅力創造社」は、愛知県三河山間地域誘客促進事業のプロジェクト企画です。
www.mikawayamazato.jp

 

文|江崎充哉(編集部) 写真|宮田政也(STUDIO CAPSULE)

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