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【ボルドーシャトー紀行】シャトー・スミス・オー・ラフィット

【ボルドーシャトー紀行】シャトー・スミス・オー・ラフィット

壁を彩る緑が美しいシャトー

 14世紀にすでにその歴史を開いていたシャトー・スミス・オー・ラフィット。その紋章は初代オーナーがフランス王家ゆかりであることを示している。数回のオーナーチェンジを経て、現在のオーナー・カティアード夫妻が1990年に引き継いだ。以降、さまざまな改革が行われ、質・評価共に近年さらに上がってきている。
 醸造師のファビアン・ティトゲンは、「新しい技術と、古き良き技術をミックスすることで、よりいいワインを作ることができる」と語る。
 近代化の流れを逆流するように、いくつか昔の手法に戻されている。例えば、収穫をすべて手摘みに戻した。傾斜の強い西側の畑では、トラクターの代わりに馬が活躍する。ステンレスだった貯蔵タンクはすべて木製に戻された。
 多くのシャトーが外注している熟成樽も敷地内に工房を持ち、ぶどうの状態、気候などを加味しながら職人たちとファビアンが相談しながら木の種類などを選ぶ。
 ワイン造りのすべての家庭でスミス・オーラフィットらしさがプラスされている。「オーナーが変わっても、土壌は変えようがないし、いいものを造るという哲学は変わらないよ」とファビアンは笑う。シャトーでは、予約をすればテイスティングに応じてくれるが、接客はもっぱらファビアンとマーケティングを担当するデイビット・オーノンがあたる。人懐っこい笑顔を見せる2人からはワインへの愛情とともにシャトーへの愛情が感じられる。

王家ゆかりを示す紋章の元に寝かされるワインたち

 テイスティング・ルームの床が両側に開くと、地下に降りる階段が出現する。シャトーの各年代のワインが並ぶセラーだ。ラベルがボロボロですでに何年のものか判読不可能なボトルが、シャトーの脈々と続く歴史を物語る。最も古いものは1878年。そして、セラーにあるオブジェは、シャトーが永遠に続くであろうことを示しているようだ。このオブジェに限らず、敷地内の至るところに大小さまざまなオブジェが配されていて、まるで自然豊かな美術館のようだ。
 オーナーの長女が経営する敷地内にあるスパを擁したホテルは、ボルドーきっての名ホテルだ。ボルドーの市街地から20分のドライブとはいえ、ランチ時間でも地元の人々でにぎわう。料理は肉、魚とも彩り豊か。お供はもちろんスミス・オー・ラフィットのワインだ。ラインナップも豊富で、人数が多ければ各年代を飲み比べてみるのもいいだろう。
 デイビットは定期的に日本を訪れ、日本を堪能する自由時間もないほど、数都市を精力的に回る。ますます日本での人気が上がりそうだ。

(左から)ワインスパやシャトー見学や試飲などアクティビティーも充実した5つ星ホテル「Les Sources de Caudalie」/醸造師のファビアン・ティトゲン/シャトーの歴史を物語るラベル貯蔵庫


文:川口奈津子(編集部)

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