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【世界の名手たちが発見した定石】定石6

書籍「ゴルフ金言集」より

【世界の名手たちが発見した定石】定石6

6定石ゴルフはボールをカップに入れるゲームである。
あなたのゴルフバッグの中で、球を穴に入れる道具は
パターだけである。

――ジャック・バーグ

46411025_l パッティングがゴルフプレー中、最も大切な技術のひとつであることも知らぬ人はいない。しかし、ことにビギナーは、実際にパターを軽く考えているかのごとき行動に傾いているということも事実である。「ゴルフはまず長打法(ドライバーやアイアン)をおぼえるべし」という考えちがいが、パターの練習を軽視するようにしむけているのではないだろうか。(以上原文より抜粋)

現代解説とこぼれ話

 これは、ゴルフをするうえでパットがいかに大事で、スコアアップの重要なファクターであることを示す金言です。昔の金言をひも解くうえでひとつ知っておいていただきたいことは、昔(30年以上前)のグリーンと現代のグリーンとでは大きな違いがあることです。先ずは大きさ。昔のグリーンに比べて3倍~4倍の大きさはあるでしょう。次に速さ。現代のグリーンは昔のグリーンに比べて遥かに高速になっています。
 その理由は、大きなグリーンと比較して、小さなグリーンは(踏まれる)芝の疲労度が何倍も違うので、芝を短く刈れないことにあります。そのため、グリーンが小さく芝が重かった昔は「ネバーアップ・ネバーイン」がパットにおけるいちばんの定石となっていたのです。
 しかし、一日に20メートル以上のパットを2、3回強いられることも少なくない現代の大きく高速のグリーンに対して、この定石は疑問が残ります。昔のグリーンは端から端まででも平均30メートル程であったがゆえに、現代のロングパットとは尺も重さも大きく違っていたのです。
 そのため、現代のグリーンの高速&巨大化時代には、「ネバーアップ・ネバーイン」精神でオーバーめに打つよりも、オーバーしないように少しでもカップに近づける、その精神が重要であると思うのです。
 私の学生時代からの友人のプロゴルファーK君などは、ごく初心者には「カップを越えないように打ちなさい」とショートめのパットを教えています。ビギナーは10メートル越えのパットの場合3パットどころか4、5パットもすることが多々あります。このプロゴルファーKの教えなら最悪でも3パットすれば入るかOKで収まるようになります。同じ原理で優秀なキャディさんは、「ここから速いですよ!」とアドバイスするが、「遅いですよ」とはあまり言わないものです。速いですよと忠告すれば、少なくとも今パットしようとしている位置よりオーバーしてさらに遠くなることは避けることができ、スムーズなプレーをサポートできます。
 ある程度経験を積んだプレーヤーであれば、4パットをしてしまったときの殆どはオーバーパットがからんでいることでしょう。この観点からも理解できるように、現代のグリーンに於いては「方向よりも距離感」が大事であるということを、私は声を大にして伝えたいです。


解説:広瀬義晋(ひろせ よしくに)

関西学院大学卒。著者の三男。同級生である中部銀次郎とともにジュニアよりゴルフ界で活躍し1966年には世界アマチュア選手権メキシコ大会の代表選手として参戦。1964年関東アマチュア選手権者。

『ゴルフ金言集』とは、ゴルフ金言集

光文社カッパ・ブックス昭和40年初版発行の当時ではまだ珍しいゴルフ指南書。著者が交流を深めていたサム・スニードなど国内外の名手とのこぼれ話や世界のトッププレーヤーたちが残したゴルフの金言名句を日本語訳し解説。当時のベストセラーとなる。

広瀬義忠著者:広瀬義忠(ひろせ よしただ)

明治30年大阪生まれ。慶應大学経済学部卒。商社マンとして世界を回っているときに、英国でゴルフと出会いゴルフの魅力にとりつかれる。ついには商社を辞めて富士のすそ野に自ら設計したゴルフ場を造る。晩年はゴルフ評論家、著述家として「アサヒゴルフ」「ゴルフジャパン」などに執筆。昭和33年度関西シニア選手権者、富士平原ゴルフクラブ理事長などゴルフ漬けのまま生涯を終える。

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