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アタゴール
東京・木場

食が誘う旅への憧憬 オリエント・エクスプレスは走る

フレンチアタゴール

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 大仰な演出は時に興ざめだが、それをさりげなく提供されると実に心憎い。木場公園にほど近いアタゴールはそんな絶妙の空間演出と料理を楽しめるフレンチレストランだ。
 敷地内には鉄道車両が。これは日本版オリエント急行とも言われた豪華寝台車北斗星号の客車、2008年に惜しまれて現役を退いた「夢空間」を移設したものだ。アタゴールではこの客車をウェイティングや食後のラウンジとして利用。レストランスペースと客車をつなぐアプローチは欧州の駅舎のプラットフォームをイメージして設計されている。
 こうした試みは一歩間違えるとテーマパークのようになってしまう。だがそこは日本人として唯一オリエント急行のシェフを務めた曽村譲司氏が長年の思いを実現したお店。実体験を基にあくまでも落ち着いて職を楽しむための場が成立する絶妙のバランスを保っている。何よりそこにあるのはレプリカではなく本物なのだ。
 豪華列車で旅するゲストにとって食事はメインイベントともいえる時間。通過する土地ならではの食材で驚きや発見を提供してくれるシェフへの期待はとても大きい。曽村シェフが季節や素材にこだわり「今、ここで提供できる最上のモノ」を追求するのは、そんな経験に裏打ちされた「ゲストへのもてなし」に対する強い思いがあるからだ。
 Time for indulgence――旅が移動によって日常から逃避できるものだとしたら、レストランでの食事はその提供される料理によってイマジネーションの旅へと誘(いざな)うものなのかもしれない。オーセンティックでありながら、そこにオリエント急行のエッセンスが加わった曽村シェフならではの独創性が、ゲストを今日だけの特別な旅へと招く。
「お客様、間もなく出発です。旅の準備は整いましたか」


東京都江東区木場3-19-8
TEL 03-5809-9799   東京メトロ東西線「木場」から徒歩3分
ランチ 11:30~13:30(L.O.)、ディナー17:30~21:30(L.O.)
火曜休 席数:30席 クレジットカード可
予算:ランチ 1,700円~(土・日、祝日は3,500円~)
ディナー 5,500円~
上記はいずれもコース料金。その他アラカルトもあり(昼・夜とも別途サービス料5%)
www.atagueule.com

文・撮影:佐藤久

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