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造り手の思いを、品質とともに届ける 格付けボルドーワインをバイザグラスで

造り手の思いを、品質とともに届ける 格付けボルドーワインをバイザグラスで

BWB Japan代表・合沢直晃氏

 BWB Japanの母体となるのは、防音設備を完備し、楽器演奏が可能な賃貸マンション「ミュージション」などコンセプト賃貸マンションを運営する企業だ。新たなコンセプトマンションとして「ワインマンション」の検討を進める中で、BWBに出合った。BWBもアジア進出を考えており、両者の思惑が合致した形だ。当初、合沢氏は日本支社を立ち上げるまでは考えていなかったというが、BWBのボルドーワインに対する思いに触れたことで、マンションだけでなく、ワインバーの経営にまで踏み込んだ。
 BWB代表でノルウェー出身のヘニング・ソレセン氏はボルドーを訪れたことによって人生が変わったという。各シャトーとの直接対話を通じて、造り手の思い、造り手が苦労の末造り上げた理想の味を知った。しかし、シャトーから消費者に届くまでに、その味はさまざまな環境の変化によって劣化してしまっていた。「造り手のつくった味をそのまま味わってもらいたい」。ソレセン氏はビジネスの拠点をボルドーに移す。
 ワインはネゴシアンと呼ばれるワイン商が各シャトーと交渉を行い、ネゴシアンから各卸業者・輸入業者へと取引されていく。つまり、ボルドーワインはボルドーのネゴシアンからしか仕入れることはできない。BWBはネゴシアンから消費者までの中間流通を一貫して行う直売スタイルをとっている。フランスで特許を取得している独自のシステム「ファイブ・スター・プロヴェナンス」によって、シャトーを出たワインは完璧な温度・湿度管理によって保管・輸送される。木箱ごとにタグシステムで管理され、現在地を追跡することはもちろん、手元に届いたワインがどのような環境で旅をしてきたのかも確認することができる。

 直売というと、同じものであれば割安なイメージがあるが、シャトーでつくり上げた品質の維持にこだわるBWBのワインは若干割高なものもある。しかし「飲んでいただければ、一般市場との味の違いを分かっていただける」と合沢氏は自信を見せる。マックスボルドーではプリペイドカードを入れ、サイズを決めるとグラスにワインが注がれるエノマティックマシンを採用している。マシンの中はもちろん温度・湿度管理されており、ワインの品質を維持、25mlから48種類のボルドー格付けワインを楽しめる。「ワインをよく知っていらっしゃる方には、ビンテージの味を確認してから買っていただけるメリットがあります。また、初心者の方にはさまざまなワインを知るきっかけになると思います」。48種類の中にはボルドー5大シャトーも含まれる。他にメドックの格付けシャトー、サンテミリオン格付けシャトーとも多数取引がある。
 エノマティックマシン6台、48種類のワインというスタイルはボルドー、台湾、日本のマックスボルドー各店で共通だ。「マシンは壁に取り付けるのではなく、島のように配置されています。また、大きなテーブルが置いてあることも特徴です」。ゲスト同士が背を向けない工夫だ。島のようなマシンの周りを回りながら、顔を合わせてワインを楽しむ。「ワインはコミュニケーションの媒介です。何を飲むかよりも、誰と飲むかが大事だと思います」。ワインがコミュニケーションの媒介という考えはワインマンションのコンセプトにもつながる。「1階はマックスボルドーの店舗になり、管理人はソムリエです。ワインを共通言語に住人同士のコミュニケ―ションをとれることが特徴です」。ワインを最良の状態で保管できるセラーもついている。

「ご自身で飲まれるのはもちろんですが、投資目的で購入される方もいます。大体のボルドーワインは値上がりしていきます。中には2倍の値段になるものもありますので、品質管理は重要です」。現在もボトルのオンライン販売をしているが、今後はプライベートコレクターサービスというケース単位の販売を行っていくという。「ボルドーの倉庫で管理することも可能ですし、日本の倉庫でお預かりすることも可能です。シャトーを出る際の品質そのままをお届けしているので、BWBのワインはオークションでの評価も高いです」。
 投資でも注目を集めるボルドーワインだが、なぜボルドーに限定しているのかとの問いに、「ボルドーが好きなんですね」とシンプルな答え。無数にあるワイン産地・醸造所の魅力をすべて伝えることは不可能だ。造り手の思いを届けたいとの考えだからこそ、限定されるのだろう。マックスボルドー六本木では1~2カ月に一度、ボルドーのシャトーからスタッフを招待し、ゲストと触れ合う機会を設けている。 
 今後は首都圏以外に大阪や名古屋へも出店を計画している。


文:川口奈津子(編集部)

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