今回ご紹介するのは、ちょっと御洒落な、お酒にも合うサンドイッチ。「オイルサーディンサンド」。
国立にあるカフェ&バー「candy pot(キャンディー・ポット)」の人気メニューだ。教えてくれる同店オーナーの吉田晃司さんは、小説家デビュー前に村上春樹氏が経営していたジャズ喫茶の常連だった。その後、春樹氏が店を次のオーナーに譲り渡す際にその店で働いたこともあり、同氏から受け継がれるレシピを習得しているというわけだ。
2人の関係性を示す証拠に、春樹氏のエッセイ内には吉田さんの名が登場する――。
「国立『キャンディー・ポット』は、僕が国分寺で店をやっているときに常連で通っていた『吉田くん』がやっている店です。吉田くんはそのころ僕が拾ってきた野良猫までひきとってくれました。親切な人です。また行ってあげてください(村上春樹著『村上朝日堂 スメルジャコフ対信長家臣団』)」
「その名は“かもめ”。そう、『ノルウェイの森』に出てくる猫と一緒なんです。春樹さんが経営されていたジャス喫茶『ピーター・キャット』に通いつめていた20代の頃、ジャズが流れる店内のカウンターでお酒を飲みながら、毎晩のように春樹さんといろいろなお話をしたことが懐かしいです。当時から『何かわからないことがあれば村上さんに聞け』というくらい、博識な方でした。また、特別凝ったものではないのだけれど、酒のつまみにさらっと作ってくれる料理はどれもとても美味しかったですね」(吉田さん)
バターをたっぷり塗ったトーストに、オイルサーディンの塩気がきいたフワフワたまごがベストマッチ! 氏の小説から推測するに、このサンドイッチの傍らには、ビールがあるに違いない。
材料[1人前]
オイルサーディン …3匹
牛乳 …少々
アンチョビソース …適量
作り方
- 熱したフライパンにマーガリン(またはバター)を溶かし、オイルサーディンを入れ、菜箸等で細かくほぐす。
- 1に卵、牛乳を入れ、スクランブルエッグを作るように混ぜ合わせる。
- トースターで焼いた食パンにマーガリン、アンチョビソースを塗り、2を挟んで完成。
candy pot
東京都国立市中1-10-5 金水ビルB1
TEL:042-505-8612
営業:平日 19:00~翌1:00/金・土 19:00~翌2:00
定休:日曜日
文・写真|松永理佐(編集部)