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「船頭割烹 汐風」店主 細山和範の秋刀魚の甘辛煮

「船頭割烹 汐風」店主 細山和範の秋刀魚の甘辛煮

 食卓を豊かな恵みが彩る「食欲の秋」到来。この季節、海の幸の代表といえば迷うことなく秋刀魚。初物の塩焼きをいただき、しみじみ秋を感じる方も多いはず。ところが最近の住宅事情なのか家庭で焼き魚を敬遠されるお宅も多いとか。たしかに脂の乗った秋刀魚は煙が尋常でなく、ご近所を考えると……。
 そんな悩みを魚の目利きでは多くの料理人が一目置くという「船宿割烹 汐風」店主の細山さんに相談すると、「梅干しと一緒に煮込んだ甘辛煮は塩焼きに負けないくらい美味しい」とのこと。
 煮魚というと味の調整に四苦八苦し、結果、塩辛かったり、甘過ぎたりという苦い経験を持つ方も多いはず。細山さんはそんな失敗をしないために「足し算」の調理法を薦める。最初から調味料をすべて混ぜず、まずベースとなる甘み(砂糖、日本酒)を決め、そこに醤油を加えていく。甘みに対して醤油が多ければ辛さが立ち、逆に減らせば甘みが存在感を増す。この醤油の加減のみで味を調整していくのだ。
 最初にすべてを混ぜ、調理途中で調整のために水や調味料を加えると、足し引きが複雑になってプロでも調整が難しい。「複雑な計算式より単純な足し算の方が間違いが少ない」という理屈だ。辛みは最後に醤油を足して調整できるので、慎重にいきたい人は最初に薄めの醤油で煮始めればまず失敗する事はない。
 出来上がりは煮汁が染み込み、骨ごといただける柔らかさ。梅干しを潰すと甘酸っぱさが加わって、また違った美味しさを楽しめる。あ~日本人で良かった。

材料[2人前]

秋刀魚 3尾
 適量
米酢 50cc
日本酒 50cc
砂糖 大さじ(好みで調整)
醤油 大さじ3(好みで調整)
白梅干し 大4個
味醂 少々
生姜 1個
木の芽 少々

作り方[所要時間1時間]

  1. 秋刀魚の頭と尾を落とし内臓を取り出した後、1尾を3つに切り分け、内臓を取り出した部分を流水で洗い流す。
  2. 24cm径くらいの鍋(以下同)に秋刀魚を入れ、ヒタヒタになるくらいの水に米酢を入れ、落とし蓋をして加熱。沸騰してきたら中火にして20分ほど煮る。
  3. いったん火からあげ、落とし蓋をした状態のまま流水で秋刀魚を洗う。(身が崩れるので、直接流水を秋刀魚にかけない)
  4. 鍋に再びヒタヒタくらいの水を入れ、砂糖、日本酒、梅干し、スライスした生姜を入れる。
  5. 強火で加熱しながら沸騰する前に醤油を加える。鍋はだがうっすら見える程度の褐色が目安。
  6. 落とし蓋をし、沸騰してきたら中火にしてじっくり煮込んでいく。(30分~40分程度)
  7. 煮汁が1/4程度に減りカラメル状になったら火を止め、味醂を少量回しかけて照りを出す。
  8. 秋刀魚、梅干しを盛りつけ、煮汁を回しかけ、極細千切りの生姜と木の芽を添えて完成。

内臓を取るには頭を落として背中を軽く押せば簡単。お腹からさばくと身が煮崩れしやすいので注意。


米酢を加えた水で下茹ですることで骨が柔かくなり、青魚特有の匂いも抑えられる。


甘辛のバランスは醤油の量で決まる。鍋はだが透けて見えるこのくらいの濃さを目安に。


船頭割烹  汐風
東京都目黒区上目黒4-36-22
TEL 03-3712-4935
昼 11:30~14:00、夜 17:00~22:30
日曜、祝日休
www.shiokaze.co.jp

文・写真:佐藤久

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