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現役ドクターが率いる医療系バンドの抱く思い

Heartfull Hospital(ハートフルホスピタル)

Heartfull Hospital(ハートフルホスピタル)

音楽は痛みを和らげる

 医療の最前線に従事する現役ドクターが率いる医療系バンド「Heartfull Hospital(ハートフルホスピタル)」。名古屋市を中心に病院、老人福祉施設での慰問ライブを続け人気を得ている。
 名城病院の腎臓内科医・赤澤貴洋さんは、カテーテル治療の痛みを和らげるために患者の好きな音楽を流して手術を行っている。優良な医師や医療器具といったハード面だけではなく、治療にはメンタル的な要素を取り入れたいという思いから始めた音楽治療。約50%の患者が痛みを感じなかったと答え、リラックスできたという患者は約70%もいたという。音楽は有効な鎮痛手段になることがわかり医学会で発表、メディアに取り上げられるようになり、話題となった。これをきっかけに、赤澤さんの中で医療と音楽が強く結びついたようだ。

2nd CD「永い二人だから」は闘病中の夫を看病する妻、老夫婦の絆を歌っている。

2nd CD「永い二人だから」は闘病中の夫を看病する妻、老夫婦の絆を歌っている。

医療系バンドの誕生

 バンドの結成は2007年1月。赤澤さんが担当していた患者の娘で歌手の大咲舞さんとの出会いがきっかけ。ライブで聞いた歌声に惚れ込んでボーカルに誘ったのだ。その他のメンバーは医療関係者を中心に集まった。
 作詞作曲を手掛けるのは赤澤さん。医療現場で出合った涙や笑顔、心の絆を歌にしている。「医師になった頃の気持ち、患者さんとの出会いを忘れたくなかったから書き留めていました」。リアルで愛に満ちたハートフルホスピタルの曲は優しく心に響く。

現役ドクターが率いる医療系バンドの抱く思い

国内移植の現状を知ってほしい

 「医療先進国にも関わらず、日本の移植医療は遅れているんです」。国内で臓器提供を待つ患者に対して提供者数は圧倒的に少なく、臓器移植の多くは海外に頼っている。しかし、世界保健機関(WHO)が海外での移植の原則禁止を検討していることに加え、国内移植の道を開くはずの臓器移植法改正案も協議が難航。明るい未来が見えてこない。耐えがたい現実を目の当たりにする赤澤さんは「移植を待っている患者のために何かしたい」と思い続けていた。バンド活動で得た収益はすべて臓器移植ネットワークや骨髄移植財団に寄付をしている。赤澤さん率いるハートフルホスピタルの真の目的はここにあった。「変わった医者がいる、そんなきっかけでもいいんです。臓器移植に興味を持ってもらえることに意味があるから」。医療系バンドに込められた思いを受け取ってほしい。


「伝えたい ありがとう」
日時: 2009年 6月21日(日) PM3:00 開演 入場無料
場所: 中区役所ホール 愛知県名古屋市中区栄4-1 中区役所地下2F
お問い合わせ: 株式会社オール・シング TEL:090-1414-1191(大崎)

文:竹井雅美(編集部) 撮影:間宮 博(ピー・アンド・ピー)

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