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有村架純インタビュー「何かにつまずいている人に勇気や希望を」

有村架純インタビュー「何かにつまずいている人に勇気や希望を」

 過疎化が進む小さな漁村でやる気も自信も失ったアマチュアオーケストラと、心を閉ざした天才少女指揮者が触れあい、共に再生していく様を描く映画『リトル・マエストラ』。石川県志賀町を舞台に、「人はひとりじゃない」を合言葉に撮影が行われた。映画に込められたメッセージや、志賀町の人々を巻き込んだ撮影現場の話など、天才少女指揮者・美咲を演じた有村架純に聞いた。
 撮影は極寒の中で行われ「熱が2回も出ましたが、若さで乗り切りました」と笑う。「共演の前田吟さんとは健康について話したり、釈由美子さんからはインフルエンザ予防の飴を頂いたりしました」と、現場での体調管理は大変だったようだ。
 台本を読んだ時点で「女の子の成長がはっきりと見えていました。『ひとりでできないこともみんなでやれば大きなものになる』というメッセージもはっきりしていて、ストレートに『素敵な話だな』と思いました」
 指揮者の役ながら音楽経験はなし。プロについて4日間、みっちり指揮の練習をした。「指揮者も表現者なんだと感じました。オーケストラのメンバーに指示を出すにも、『この人たちにどうしてほしいのか』を考え、手のひら・指の先まで思いを乗せて伝えなければ伝わりません」
 実際にオーケストラを前に指揮棒を振るうち「みんながどんどん一つになっていくのを感じました」という。プライベートでは「中心になって何かを行うタイプではない」そうで、今回の役から学ぶことが多かったという。「劇中で共演者から『自分の思いを伝えたければ、相手のことを思いやれ』と言われるんですが、一方通行では思いは伝わらないと心底思いました」
 映画を観てくれる人にも気付いてほしいという。

 演じた美咲と自分で重なる部分はあるかとの問いには「美咲は志賀町に来るまで自分と向き合わず、本来の自分とは違う方向にいってしまっていた気がしますが、志賀町の人々に触れて、気づかされ、受け入れていく素直さがありました。素直なところは共通していると思います。でも、私はひとりでいる時間が多いのでよく自分と向き合っていますね。最近では芝居に対する気持ちをじっくり考えていました。悩みが増えることは自分が変化している表れだと思うようにしています」
 ベテラン陣に囲まれた今回、「周囲を引っ張り、存在感を示す、自分の居場所をつくるために周りを見る心の余裕が必要だと感じました」という。
「ひとりではできないが、みんなとならできる」。しかし、それは受け身であっては成し得ないことだろう。相手を思い、自分の思いを伝えれば事は起こり、困難も乗り越えられる。シンプルだが強いメッセージが映画から伝わってくる。「何かにつまずいている人に勇気や希望を与えられる映画になったと思います」と有村は言う。
「これから役者としての成長に行き詰まりを感じることもあると思うんですが、自ら動いて、いろいろ吸収して『やるしかない』ですよね」 
 2週間という決して長くはない撮影期間に、主人公・美咲に勝るとも劣らない“成長”を遂げたようだ。

■町をあげて応援~製作裏話~

石川県志賀町には美しい港「福浦港」がある。監督の雑賀氏がロケハン中に出合い、ロケ地として熱望したという。地元の人々は撮影部隊を歓迎し、宿や機材の提供、エキストラ協力など、まさに“町をあげて”撮影を応援した。地元のアマチュアオーケストラがコンサートを行ったり、劇中で使用された軽トラックが近隣の街を走ったり、映画プロモーションも町をあげて行っている


『リトル・マエストラ』
監督:雑賀俊郎/脚本:坂口理子/原作:いずみ♡組
出演:有村架純/釈由美子/蟹江敬三/篠井英介/筒井真理子/上遠野太洸/松本利夫(EXILE)/前田吟ほか
©2012「リトル・マエストラ」製作委員会
2012年12月1日石川県先行公開
2013年2月有楽町スバル座など全国順次ロードショー
http://www.little-maestra.jp

文:川口奈津子(編集部)

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