演劇界に新しい分野を確立した劇団☆新感線。その楽しみのひとつは豪華な客演ゲストとのコラボレーションだ。30周年を迎えた今年、天海祐希を迎え、誰もが思い切り笑ってスカッと楽しめる、ゴージャスなエンターテインメントの舞台を繰り広げる。
text & photo: 羽田祥子

劇団☆新感線には2度目の出演となる天海祐希さん(右)。左は同劇団の看板役者である古田新太さん

天海さんの個性と魅力を存分に

 天海祐希さんが劇団☆新感線(以下、新感線)30周年記念の第1弾となる『薔薇とサムライ』に主演する。
 演劇界に新たなジャンルを確立し、演劇と音楽の融合の高みを見据えてきた新感線。大阪芸術大学の4回生を中心に設立された。08年夏に『五右衛門ロック』で好評を博した。
『薔薇とサムライ』は五右衛門ロックのパラレルストーリー。作・演出・作詞は『五右衛門ロック』と同じく、中島かずき氏、いのうえひでのり氏、森雪之丞氏のゴールデントリオだ。
 舞台は17世紀のヨーロッパ、イベリア半島の小国コルドニア。古田新太さん演じる、時間と空間を超えて現れるスーパーヒーロー五右衛門が歌に笑いにアクションにと活躍するエンターテインメントである。天海さんとの対決の場面が大きな見どころのひとつとなる。
 天海さんの役どころはいくつもの違う魅力を発揮するヒロイン。五右衛門と組んで女海賊をしていたが、王家の血筋であることが分かり、やがて自ら軍を率いて海賊や戦うようになる。華麗なドレス姿から凛々しい軍服まで、天海さんの個性を存分に生かした豪華絢爛コスチュームも見ごたえがありそうだ。

『新感線エンターテインメント』

 いのうえ氏は劇団設立から30年演出を手掛けてきた。
「ぱっとしない世の中。せめて劇場くらいは楽しいお祭りのようにしたいです。こだわったのは天海さんの衣装。ヨーロッパを舞台に女海賊、軍服、甲冑、貴婦人……どこかで見たような気がする、という衣装が次々出てきます。僕が天海さんが着ている姿を見たくて、いかにこれを着せるストーリーにするかを考えて作りました(笑)。そのヨーロッパの世界に侍姿の五右衛門がいる、その違和感が『新感線エンターテインメント』じゃないかなと思います」。
 新感線へ3作目の作品提供となる森氏は「古田さんを『ふるちん』と呼べるほど劇団に溶け込みました(笑)。天海さんとは3年前にブロードウェイの作品でご一緒して『もっと天海さんの歌を前面に出したい』と感じていました。今回、ミュージカル的に面白いもの、男前なもの、心をぐっとつかむような泣けるもの、といろんなパターンの歌を書きました。天海さんにもファンの方にも、ぜひ期待していただきたいですね」と身を乗り出して熱く語った。

演出を手掛けた同劇団主宰・演出家のいのうえひでのり氏

作詞を手掛けた森雪之丞氏

コスプレに期待

 天海さんは87年宝塚に入団し93年に史上最短で月組男役トップスターに就任。95年に退団した。新感線への出演は『阿修羅城の瞳』(03年)以来2度目となる。
「いまや新感線は役者にとって出演させていただきたい劇団のひとつです。出させていただけるからには皆さんと一緒に大きなものを作りたいですし、私も大きなものを持って帰りたいですし、ものすごく試される場だと思いますので、大きなプレッシャーも感じています。
 何度も何度も笑いながら台本を読ませていただいて、いつも同じ所でツボにはまっています。『リーダーとは』ということもきちんと表現されていますし、素敵な作品です」。
 ポスター撮影で4着の衣装を着用した。女海賊の自らの姿を見て「ああ、ジョニー・デップだなあ(笑)」と思ったと笑った。「これがどうやって早変わりになるのかと思うと少し怖い部分もありますが、なかなかできないコスプレなのですごく楽しみにしています」。

 劇団の看板俳優である古田さんは「宝塚時代からの天海さんの大ファンで、実家にブロマイドもあるくらい。私生活でもスキャンダルになるように頑張りたいと思います」と天海氏との息の合ったところを見せた。

 東京公演は3月18日(木)から4月18日(日)まで赤坂ACTシアターにて。大阪公演は4月27日(火)から5月13日(木)まで梅田劇場メインホールにて。チケットは1月31日(日)発売。お問い合わせは東京公演はサンライズプロモーション東京(0570-00-3337 10:00~19:00)大阪公演はキョードーインフォメーション(06-7732-8888 10:00~19:00)まで。

宝塚時代からの天海さんの大ファンという古田さん

2010年劇団☆新感線30周年興行【春】
新感線☆RX『薔薇とサムライ ~GoemonRock OverDrive』
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
作詞: 森雪之丞
出演: 古田新太、天海祐希、浦井健治、山本太郎、神田沙也加 ほか
URL: www.bara-samu.com