ノートPC市場の中で約2割のシェアを誇るまでに成長したミニノートPC。そんな中、ソニーが「VAIO type P」を発表した。国外メーカーが勢力を拡大する市場にいよいよ「VAIO」投入か……と思いきや少し様子が違う模様。ソニーが生み出したのは従来の"ネットブック"とは一線を画す、新ジャンルのPCだった。
photo:t.SAKUMA text:太田健司(編集部)

インタビューに応じてくれたのはソニー株式会社VAIO事業本部企画部の伊藤好文(いとう・よしふみ)さん。

ネットブックとの違い

ブアイソー(以下b)サイズを見てしまうと、比較対象としてどうしてもUMPC(ウルトラモバイルPC)を連想してしまいます。
伊藤氏(以下、I)いわゆる「ネットブック」のような、5万円前後の小型PCというのは、低価格を目指して造られているものが多く、金額ありきで、あのサイズになっています。一方、「type P」は低価格という部分にフォーカスしたのではなく、外に「持ち出す」ことを考え抜いて行き着いた形です。そういった意味で、サイズ感では近くに感じるかもしれませんが、全く違うものだと認識しています。
b)スタート時の視点がすでに違うわけですね。
I)以前から私たちは「type U」など、脈々と小型のPCを造り続けていましたが、現代のニーズに合った小型のPCを提案しようということでプロジェクトを開始しています。
 では、現代のニーズとは何なのか。今はもう携帯電話・スマートフォンでメールや簡単なネットサーフィンくらいならできてしまいます。それだけである程度満足する人もいますが、もっとリッチなコンテンツを外でも見たい、外に持ち出したいというニーズがあるのではないか、それならばそれらを共に持ち出せるPCとはどのような形が適しているのか、と考え始めました。

オフシーンで輝くポケットスタイルPCへ

b)特徴的な製品ですが、コンセプトを教えてください。
I)私たちはこの商品を「ポケットスタイルPC」と呼んでいますが、そこには「新しいカテゴリを作りたい」という意志があります。CMでは実際にズボンのポケットに入れていますが、そこに込めているのは、ポケットに入るほど小型のもの、ということです。現実的にはカバンの中のポケットに入れて持ち出せるPC。type Pを手に入れることでユーザーがいつでもどこでもPCを持ち出せるということについては、これがベストな解だと私たちは提案しています。
b)確かにこのサイズなら持ち出すことにそれほど抵抗は感じませんね。
I)type Pはビジネスシーンよりもプライベートなシーンが似合うと思っています。だから休日に小さなカバンでも持ち出せることを考えなければいけないと思っていました。しかし、小さくした分、この筐体にレイアウトを詰めるのは大変でした。

ラインナップは、FOMAハイスピード対応ワイヤレスWAN(GPS内蔵)搭載の「VGN-P80H」と、ワンセグチュー を搭載する「VGN-P70H」の2機種。加えて、VAIOオーナーメードでカスタマイズモデルも選べる。

「片手で持てること」もtype Pのこだわりの一つ。手にフィットさせるために数ミリ単位での調整が続いた。

 

もっと楽しい生活を送るために

b)販売価格も相当抑えられていると感じます。
I)価格はかなり頑張りました(笑)。その点については低価格PCの影響がありますね。それがなければもう少し高い価格設定になっていたかもしれません。
 低価格PCは"安い"というわかりやすいユーザーメリットがあり、type Pはそれを否定するものではありません。低価格という要素も一つのPCの在り方だと思っていますが、ソニーでは違う方向を目指した商品を作ったということです。我々も新しいカテゴリを作るために、まだまだやれること、やらなければならないことがたくさんあると考えています。
b)企画者として、どのような使われ方を想像していますか?
I)個人的には、例えばオープンカフェなどの小さいテーブルにtype Pが置かれて、誰かがそこで自分のブログを書いている、そういう使い方をしている人を早く見てみたいですね。この製品を使うことで自分のブログが充実したり、もっと楽しい生活を送れるようになったら幸せです。