最近では何かとネガティブな話題の多いクルマ業界。新型プリウスは業界復活の起爆剤となり得るか?
text: 太田健司(編集部)

「トライアングルシルエット」はさらに進化。空気抵抗係数CD値=0.25という世界トップクラスの空力性能を実現 (写真は1.8S-ツーリングセレクション)。

誕生から12年

 原油の高騰、100年に1度の大不況、環境問題や若者のクルマ離れ…自動車業界にとってはネガティブな話題が多い中、ここ数カ月は国内メーカーによる相次ぐハイブリッドカーの発売で、久しぶりに世間を巻き込んで盛り上がりを見せている。
 2月に発売されたのはホンダ・インサイト。「ハイブリッドカーは値段が高い」という世間のイメージを払しょくするかのように189万円という驚異の低価格を実現し、販売から3カ月、好調なセールスを記録している。
 そして、それに続くのはトヨタのプリウス。世界中のエコカーシーンをひとり牽引してきたハイブリッドカーの雄が、2度目のフルモデルチェンジを終え、いよいよ市場に投入される。

プリウスの系譜

 初代プリウスが世に登場したのは1997年10月のこと。世界で初めての量産ハイブリッドカーとして注目を集めた。発表当時の燃費は28.0km/l(10・15モード)。およそ12年経った今でも全く見劣りすることのない低燃費&環境性能で、世界の自動車に関する環境意識レベルを引き上げた。
 初代の発売から6年後の2003年にはフルモデルチェンジを果たした2代目が登場。クリアパーツの使用やボディのサイズアップ、5ドアハッチバックといった未来志向のスタイリングは、初代を大きく上回る35.5km/lという低燃費と共に、21世紀の新たな自動車ライフを想像させた。
 先代2モデルで確固たる地位とブランドを世界中で築き上げたプリウス。世界一の自動車メーカーが満を持して放つ最新モデルは、どのような進化を遂げたのか。

前席部のシートが薄くなった分、後部座席のスペースにゆとりが生まれた。

シフト操作を電子信号で送信できるシフト・バイ・ワイヤ技術の採用で、ドライバーが最も操作しやすいポジション に設定できるエレクトロシフトマチック。

3代目プリウスの進化

 まずは最も気になる燃費だが、新型プリウスでは38.0km/l(10・15モード)を実現。約7%、燃費性能を向上させた。その秘密はエンジン効率の進化やモーター、発電機の小型・軽量化、そして空気抵抗の低減などトヨタの技術力の結晶にあり。自らがリードしてきた環境技術の限界をまた一歩、乗り越えた形だ。
 クルマとしての楽しさも増した。排気量は1.5リッターから1.8リッターへとパワーアップ。新たなギアの採用と合わせることで2.4リッター車並みの加速力とパワーを手に入れた。これはエコカーだからといってパワー不足を諦めていた人には嬉しい改良。「踏めば加速する」という、運転する楽しさを味わうことのできるクルマとなった。
 その他、新しい機能として注目したいのは「ソーラーベンチレーションシステム」。ルーフに設置したソーラーパネルによって発電し、その電力によってファンが作動して駐車中の室内換気を行う。また、スマートキーをリモコンにした「リモートエアコンシステム」も新たに装備。車内に入る前にエアコンを作動させ、バッテリーに蓄えた電力を使って車内をクールダウンする。ソーラーパネルなんて、いかにもエコロジー。乗っていて気持ちがいい。

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