アウディのA6が5年ぶりにマイナーチェンジを果たした。2009年はブランド創設100周年を迎えるメモリアルイヤー。アウディの快進撃はこのクルマから始まる。
text:太田健司(編集部)

ライトと一体のウインカーにはLEDを採用。視認性が上がった。

アウディが歩んだ100年の歴史

 2009年、ドイツの自動車メーカー・アウディが、ブランド創設100周年という節目を迎える。
「アウディ」の歴史は1899年、創業者のアウグスト・ホルヒがホルヒ社を設立したことから始まる。そのホルヒが自らの会社を追い出され設立したのがアウディ社だ。
 アウディは幾多の困難を乗り越えている。1932年、世界大恐慌による混乱を乗り切ろうとアウディは「ホルヒ」「ヴァンダラー」「DKW」とともに共同企業体「アウトウニオン」を設立した。この4社のエンブレムを銀の輪の中に一つずつ置き、その4つの輪を連ねたのが現在のエンブレムである「フォー・シルバー・リングス」。現在では誰もが知るアウディの四輪は、4社の企業の結束の象徴を源流としている。
 その後、第二次世界大戦による混乱で一時は製造をストップしたアウトウニオンだったが、戦後には復活、その後は50年代にはダイムラー・クライスラーに、そして1964年以降は現在のフォルクスワーゲン傘下に収まるなど合併・買収の荒波にもまれたアウトウニオンが社名を「アウディ」としたのは1985年のことだった。

日本での販売数は右肩上がりが続く

 近年の日本におけるアウディの販売は好調だ。各メーカーの新車販売台数が減少した2008年、アウディ は前年比4.1%増の約100万台超の販売を記録した。ちなみに2008年の新車登録実績は前年を5.4% 上回る1万6040台。輸入車市場におけるシェアは1998年の日本法人発足以来、過去最高となる8.3%を 記録した。
 その好調アウディ、今年度の日本市場では8つのモデルを新たにリリースする。その先陣として発売され たのが新しいA6だ。

スーパーチャージャーが復活装着されたv型6気筒3.0L TFSIエンジン。出力・効率の両面で大幅に進化し、高 性能・低燃費を実現した。

新設計エンジンで高性能&低燃費化

 注目したいのは、高性能と低燃費を両立した新設計エンジンの採用だ。特に、新たに加わった「A6 3.0 TFSIクワトロ」に搭載される3Lスーパーチャージャーが目を引く。ダウンサイジングコンセプトにより新たに開発された3.0L V6FSIガソリン直噴エンジンに、パッケージングと反応特性に優れるスーパーチャージャーを組み合わせた新しい心臓は、アウディ特有のティプトロニックとクワトロドライブとの組み合わせにより、パワーと効率を最大限に向上。その結果、従来の4.2LV8並みのトルクを発揮しながら、3.2LV6以上の低燃費となる9.4キロ/リットル(10・15モード)を実現した。
 また、2.8FSIは従来モデルと比較し出力5%アップ、10・15モード燃費4%改善、CO2排出量4%削減に成功するなど、大幅なレベルアップを果たした。
 安全性能も格段に向上した。新モデルではオプションで「ドライブアシストパッケージ」を設定。運転支援システムでドライバーに安心感を提供する。

 アウディがブランド創設から100周年を迎える今年、自動車業界は世界的に危機的状況に追い込まれようとしている。しかし、そんな状況下でも、昨年の勢いをそのままに、2009年の新車販売目標台数を1万6691台に設定。A6はその足掛かりをつくることができるのか、注目だ。

主要諸元表

全長×全幅×全高(mm) 4,925×1,855×1,455
車両重量(kg) 1,900
燃料消費率(km/l) 9.4
エンジン/排気量 V型6気筒 スーパーチャージャーDOHC/2,994cc
最高出力(ps/rpm) 4850-6800
最大トルク(kg-m/rpm) 42.8/2500-4850
メーカー希望小売価格(万円) 780.0