日本でも人気車種である「BMW 3シリーズ」。
日本のユーザーにとって、今回のマイナーチェンジはこれまでにない特別なものとなった。
text:太田健司(編集部)

BMW独特のキドニーグリルがワイドになるとともにエアインテークが拡大。ボンネット中央にも2本のラインが追 加され精悍な顔つきになった。

世界で愛されているBMW3シリーズ

 1975年に誕生したBMW3シリーズは、その扱いやすい性能・サイズと多様なバリエーションで世界的にヒットし、多くのユーザーに愛されてきた。
 もちろん日本でも例外ではない。1980年代のバブル景気に2代目のE30が(六本木カローラと言われてみたり…)大量上陸すると、以降はすっかり日本に定着。2007年6月期にはあのフォルクスワーゲンゴルフを抜いて、輸入車新車販売台数でトップを獲得するなど高い人気を得ている。

アジアの島国でクレームを叫ぶ

 この3シリーズ、「扱いやすいサイズ」が売りの1つだったが、安全性の向上を図るために、徐々にサイズアップを進めることになった。これにより、コンパクトセダンからミドル~アッパーミドルクラスに位置するクルマになったわけだが、日本では困ったことが起こっていた。
 2005年に発売された5代目のボディサイズは全長4520×全幅1817×全高1421ミリまで拡大。全幅が1800ミリを超えてしまったために立体駐車場に収まりきらなくなってしまったのだ。米国で喜ばれそうな「快適な居住空間」は確保されたものの、この点は特に都市部でのユーザーが多い日本ではかなりの痛手となっていた。
 前述したのは1つの例だが、3シリーズは世界的にヒットしているクルマ。国産メーカーならいざ知らず、日本特有の事情を欧州メーカーにいくら叫んだとしても、その声は届かない。

トランク側のライトがスリムになり、よりスポーティな印象に。

操作系統をディスプレイから独立させることで、人間工学に基づいて最適な運転環境を実現。コントローラは簡単 に手が届くセンターコンソールに、コントロール・ディスプレイはインスツルメント・パネル最上部の見やすい位置に レイアウトし、優れた操作性と視認性を追求。

まさかの"日本仕様車"

そこで今回のマイナーチェンジ(MC)である。今回のMCでは日本からのニーズに応えたスペシャルな変更が施された。
 まずは件のサイズ変更である。専用のドアハンドルを設計することで日本の多くの立体駐車場で定められる全幅1800ミリにまでサイズダウン。これなら街中での駐車に困ることもないし、自宅マンションの駐車場でも車庫証明が取れるので非常にありがたい。
 その他、"日本市場向け"に変更された点はいくつかあるが、特筆すべきは新型の「iDrive」が日本仕様に改良されたことだ。iDriveとはナビやオーディオなどを円形コントローラで統合制御する、BMW独自の操作システム。今回の改良では円形コントローラが小型化されると同時によく使う機能をスイッチ化してコントローラ前方に配置されているが、このスイッチに「MAP」ボタンを日本専用に追加。現在位置を頻繁に表示するという日本人の特性を理解したBMWが、国産のナビでいう「現在地」ボタンを用意したのだ。

 今回はMCということで、スペック部分で大きな変更は見られなかったが、日本のユーザーにとっては至れり尽くせりの大変身。嬉しい限りのリニューアルなのだ。

主要諸元表

BMW 320i

全長×全幅×全高(mm) 4,540×1,800×1,440
車両重量(kg) 1,470
燃料消費率(km/l) 12.0(10・15モード)
エンジン/排気量 直列4気筒DOHC/1,995cc
最高出力(ps/rpm) 156/6,400
最大トルク(kg-m/rpm) 20.4/3,600
メーカー希望小売価格(万円) 445.0