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☆アニメのミカタ☆おバカでお下品!「クレヨンしんちゃん」になぜ大人が感動してしまうのか?

☆アニメのミカタ☆おバカでお下品!「クレヨンしんちゃん」になぜ大人が感動してしまうのか?

「大人も泣けるアニメ映画」として、絶大な信頼を得ている「映画 クレヨンしんちゃん」シリーズ。おバカでお下品で有名な5才児・しんのすけの映画が、なぜ大人たちの心を震わせるのか。人気の高い2作品をご紹介しながら、その魅力を考えてみたい。

大人に刺さる、父・ひろしの雄姿

 最高傑作として挙げる人も多いのが劇場版第9弾『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲』。昔懐かしい暮らしが再現されたテーマパークができた世界を舞台に、「あの頃に帰りたい」と育児も仕事もほっぽり出してしまう大人と、その裏で暗躍する秘密結社に、しんのすけたちが闘いを挑む物語だ。
 プロレス中継のテレビや夕暮れ時に賑わう商店街など本作に充満する温かな昭和の雰囲気に、大人たちは目を奪われるはずだ。父・ひろし、母・みさえも、秘密結社の思惑にハマってしまい、ノスタルジーの虜。「クレヨンしんちゃん」の映画で、「懐かしさに浸りたい」という大人たちの心の機微をすくいとったのは、驚くべきことだった。
 ひろしは自分の足のにおいをかいで、現実を思い出す。いつでも壁にぶち当たりながら歩んできたこと。愛する人と出会い、大切な子どもたちを得たこと。前へ前へと進んできたからこそ手にした宝物は、懐かしさのにおいよりも輝きに満ちたものだった。このひろしの回想シーンは、様々な苦楽を経験してきた大人だからこそ共感できる、号泣必至の名シーンとなった。
 第22弾『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』も、ひろしに泣かされる名作だ。ある日、ぎっくり腰を治しに行ったひろしは、ロボットに改造されてしまう。これは邪魔にされ、すっかり弱くなってしまった日本の父親たちの復権を目指す組織の陰謀だった……という奇想天外ながら、クタクタになって働く世のお父さんたちへのエールのような作品に仕上がった。
 そう、本シリーズで大人たちを特に釘付けにしているのが、家族を守るためにもがきまくるひろしの勇姿。そして何かとうるさい世の中で、感動シーンもシリアス展開もすべて、ギャグと下ネタで包んでしまうしんのすけのおおらかさだ。リアリティに根ざした家族の物語だからこそ、彼らの真っ直ぐさが胸に突き刺さる。

最新作の脚本には劇団ひとりも参加

 最新作『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド』では、『逆襲のロボとーちゃん』の高橋渉が監督を務めるほか、脚本には劇団ひとりが参加する。作家としても活躍し、感動と笑いを届けてきたひとりと、本シリーズの相性は抜群だ。この最強タッグに、今から心が騒いで仕方がない。


MOVIE

4月16日より全国にて公開
配給:東宝
www.shinchan-movie.com
ⓒ臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2016

 

 

 

Text

成田おり枝(なりた・おりえ)

千葉県市川市出身。大学卒業後、シネコン、ミニシアターでの劇場経験を経て、映画サイトの編集者へと転進。現在はフリーライターとして、映画・アニメを中心に、インタビューやコラムなど日々の取材に奔走中

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