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深田恭子「母って強いな」

深田恭子「母って強いな」

「こち亀」の世界でもフラットに、
シングルマザーを演じる

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載35周年の節目となる2011年夏、映画となる。主人公の“両さん”こと両津勘吉は、破天荒でハチャメチャなトラブルメーカー、でも人情は人一倍厚い下町のお巡りさん。演じるは、09年に放映されたテレビドラマ同様、SMAPの香取慎吾。そして、我らが深キョン、深田恭子が映画版のスペシャルゲストとして「こち亀」ワールドに参加する。「おっとりした深キョンが、あのハイテンションな世界に放り込まれて、いったいどうなってしまうのか……」と心配するBUAISO世代の声が聞こえてきそうだが、大丈夫。
「設定上、香取さんや子どもとのシーンが多くて、こち亀ならではの“みんなで和気あいあい”というシーンには登場していないんです。『こち亀』の世界にいるけれども、でも、それを意識しすぎることなく、フラットな気分で演じました」。
 というのも、深田が演じるのは、両さんの小学生時代の憧れの同級生・沢村桃子役。小学生の娘がいるシングルマザーで、偶然、両さんと再会し、気持ちが通い合うが……という設定だ。お察しの通りストーリーは、膨大なコミックの中で、とりわけ人気の高かった両さんの初恋話をモチーフにしながら、映画らしさを追求したオリジナル。両さんはじめお馴染みのメンバーが登場するアップテンポなコメディーでありながら、重厚かつシリアスなドラマも展開される。そして桃子は、後者「ドラマ」の方のキーパーソンなのだ。

“子ども思いのママ”

 さて、次に気になるのは、深キョンが母親役を演じるということだろう。だが、こちらも心配ない。深田はすでに「お母さん」なのだ。子どもの名は「メロンパンナちゃん」。ファンなら誰でも知っている深田の愛犬だ。
 今回の取材には、メロンパンナちゃんも同席してくれたのだが、その、お行儀の良いこと。30分ほどの取材中、“ママ”に抱っこされたまま、吠えもせずにじっとしている。ママの撮影も、マネジャーさんと並んで静かに見学。ママと一緒の撮影では一転、愛くるしい笑顔を振りまいてくれた。空気を読まずに暴れ回るウチの3歳児に、メロンパンナちゃんの爪の垢を煎じて飲ませたいくらい――というわけで、“子ども”のしつけ方について聞いてみた。
「怒る時はものすごく怒って、褒める時はものすごく褒める――そうやって強弱を付けるといいと、教えてもらいました」。
 それだけ? 他に気を付けていることは?
「この子はお仕事にも連れて行きます。いつも私と一緒なので、満足していると思います。だからあまり吠えないのかも。でも、私が忙しいと、移動が増えてこの子も疲れてくると思うので、お休みの日は、この子の体調を見ながら予定を考えることにしています」。
 なんと子ども思いのママなのだろう! 仕事のスケジュール優先で、ついつい休日も、子どもより自分のペースで過ごすことになりがちな筆者は、猛省するしかない。だが、そんなダメ母親を、深キョンは優しく励ましてくれる。
「今回の撮影では、母って強いな、と感じました。子どもを育てるのは、本当に大変なことだと思う。特に、お仕事しながらのお母さん業は大変でしょうが、働くママたちにとって、この作品が励ましになればいいな、と思います」。
 この一言に救われた。そんな優等生ママの深キョンでも、桃子役は難しかったという。
「桃子は1人で頑張って生きている女性で、サバサバしたお母さんです。そういう女性を演じながら、しかも日常生活の場面で、子どもへの愛情を出すのが難しかったです」。
 もう1つは、旅芸人一座の座長役でもあること。劇中劇の「女ねずみ小僧」のシーンは、大衆演劇も上演される浅草雷5656会館で撮影した。刀を持っての立ち回りは、初めて。
「何から何まで教えていただいて、数日かけてみっちりお稽古をしましたが、何年も座長としてやってきた人として演じなければならないので、大変でした」。
 りりしい表情とキレのある動きは、ぜひ劇場で確かめてもらいたい。

「両さんはみんなにとっての“救い”」

 さて「こち亀」といえば、“少年誌の最長連載記録”のギネス記録を保持し、コミックスは累計1億4300万部以上を売り上げている国民的人気コミック。
「全巻ではないけれど、何冊か読んだことがあります。好きな作品の1つですね」。
 もともとマンガ好き。
「好きな作品を何度も繰り返し読みます。マンガを読むのはだいたい夜寝る前のひと時なので、悲しくなったりドキドキしたりはイヤ。撮影中に真剣に読んで、ストーリーが頭から離れなくなっても困ります。だから、話は分かっていて、安心しながら楽しんで読めるものが好きなんです。『こち亀』もそうやって、何度も楽しめる作品ですよね。両さんみたいなお巡りさんが自分の街にいたらいいな、と幸せな気分になって眠りにつけます」。
 そう、映画版「こち亀」を観た人も、きっと幸せな気分になれるはず。
「両さんは、みんなを元気づけてくれる。両さんは、みんなにとっての救いなんです。映画を観た方が、自分ももう少し頑張ろうかな、と思ってくださったら、うれしいですね」。


こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~
出演:香取慎吾、香里奈、速水もこみち、深田恭子、谷原章介、伊武雅刀 ほか
www.kochikame-movie.jp
8月6日全国ロードショー
(C)秋本治・アトリエびーだま/集英社
(C)2011「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE」製作委員会

文:渡辺麻実 撮影:中島正之 ヘアメイク:板倉タクマ(nude.) スタイリスト:外山由香里 衣裳協力:(ワンピース)ポール カ/ナイツブリッジ・インターナショナル(03-5798-7265)

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