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インタビュー/interview
表紙の人
松たか子「厳しさに惹かれ、自ら父と同じ道を歩む」
祖母危篤の知らせを受けた時だった。「いつも完璧なヒーローであり、舞台の上でかっこよく生きていた」父・松本幸四郎が、舞台上で一度だけ完璧でないコンディションを見せた。
「父の完璧でない姿にショックを受けました。同時に、自分の親が危篤であっても舞台に立つ仕事を父がしていたことを痛感しました。その時、自分もこの道に行くのかなとふっと思ったんです。小6の時でした。舞台に立つまでの人間の厳しい存在感のようなものに強く惹かれました」。
両親に相談することなく、一人で考えて決めた。「父が歌舞伎以外にも幅広い分野に出演していたので、幼い頃からいろいろなお芝居を観ていました。観たり真似するのは大好きだったのですが、どうすれば始められるのか何もわかりませんでした。
中学生の頃は、養成所というものがあるらしい、劇団に入った方がいいのかな、などと考えていましたね。お芝居が完成するまでの過程への関心が高かったと思います」。
1月に上演されるシェイクスピア原作『十二夜』で双子の兄妹を一人二役で演じる。ドラマ『ロングバケーション』以来となるりょうとの共演もBUAISO世代にとって楽しみの一つだ。
潤色・演出・出演・美術・衣裳を手掛ける串田和美との出会いは古い。「中2の時、串田さんが主宰する自由劇場の公演をシアターコクーンに観に行ったんです。大人がとても無邪気にお芝居の世界で生きている感覚が衝撃的でしたね。それからはお酒も飲めないのになぜか自由劇場の打ち上げにお邪魔していました」。
串田によれば『十二夜』は切ない大人のストーリーであり、いい加減に生きることの誠実さを知っている大人の作品だという。
「もうちょっといい加減に生きてみたらと人に言われたことがあります。私の一番の課題ですね、いい加減さって(笑)。『十二夜』は古典ですが、串田さんの手が加わるのでそのままではないと思うんです。だからこそシェイクスピアの原作そのものを今のうちに読んでおきたいですね。原点が把握できていれば発想がどこに飛んでいってもついていけると思うので」。
どこまでも真摯なところがやはり魅力。「いい加減な誠実さ」を演じる姿が楽しみだ。
舞台『十二夜』Bunkamuraシアターコクーンシェイクスピア作品の中でもロマンティック・コメディの頂点と評される『十二夜』。船の遭難で離ればなれになった双子の兄妹の周りで複雑な片思いの糸が絡まり、シニカルないたずらや馬鹿騒ぎのあげく、劇的に糸が解けてハッピーエンドに。串田和美によるセンスあふれる演出と魅力的な俳優陣により、音楽と笑いとウィットを盛り込んだ上質な喜劇が誕生する。
作:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 潤色・演出・美術・衣裳:串田和美 音楽:つのだたかし 出演:松たか子 石丸幹二 りょう 片岡亀蔵 串田和美 笹野高史ほか 公演期間:2011年1月4日~26日 チケット料金:S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000 問:Bunkamura www.bunkamura.co.jp
文:羽田祥子(編集部) 撮影:中島正之
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