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竹野内豊インタビュー「幾旅の恋、後味は刹那。」

映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』

竹野内豊インタビュー「幾旅の恋、後味は刹那。」

どうやら彼は“老若女女”と虜にする才能をもって生まれたらしい。好むと好まざるとにかかわらず。その色男、名を「ニシノユキヒコ」という。え、ご存じないと?ならばこの名を借りるとしよう――「タケノウチユタカ」。深くうなずいたあなた、彼の魅力に溺れる覚悟がおできだろうか。

BLACKHALL

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「死ぬほどモテたい!」誰しも一度は抱くであろう夢物語を地で行く男、それが、映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』の主人公、ニシノユキヒコである。そんな稀代のモテ男を演じるのは、役柄然りの色男、竹野内豊。自身と似通う要素を持ちあわせた役柄は、さぞ、演じやすかったことだろう。
「僕とニシノの共通点は……ないっ!(笑)台本を読んだときにも、なぜ彼がこれほど女性にモテるのか理解に苦しみ、監督に『どんなふうに演じればいのでしょう』と相談してしまったほど。そしたら監督は『普段の竹野内さんのままで』と。困りましたね。どの作品でも、まず、役に通ずる部分を自分の中で探り、それを辿りながら役を構築させていくのですが、今回はとくにそれが難しく感じました」
 芥川賞作家、川上弘美の同名小説をもとに、井口奈巳監督自らが脚本を手がけた本作。難解極まりないニシノという男を、撮影ではどのように演じたのか。
「ここだけの話、監督はかなりS(笑)厳しいのではなく、むしろ自由すぎるからです。役者から自然な演技を引き出すべく、カメラを長回しし、台本に描かれたシーンが終わってもまだ、その先のストーリーを求めてくる。自分はあまりアドリブが得意ではないので、『カメラもう止めて~』と何度願ったことか。そんな困り顔をしているときほど監督は『いい画が撮れた』と言ってニコニコ(やはりS)。けれど自由なばかりでなく、作品のイメージと異なる表現をした場合にはダメ出しし、きちんと軌道修正もする。実は芯の強さを秘めた監督だからこそ、役者は感覚に身を委ねて演じることが許され、見る人にも違和感を与えない自然な作品を撮ることができるのでしょう。そういう意味では、とても刺激的でユニークな撮影現場でした」

モテ男の身の上、加えて恋の迷宮

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 まるで「色男、他人事につき」といった様子で話す竹野内だが、自身のブラックホール(モテ男事情)はいかなるものか。
「役上ではよくありますけど、実際は……」と、そんなはずはあるまい。さらに訊ねると、ようやくホールの口はわずかに開いた。
「1番モテていたような気がするのは、デビュー間もない20代半ばの頃かな。まあ、そういう時期もあった、のかも、しれません」と俯き加減にモジモジ。
 そんな竹野内は1月2日に43歳の誕生日を迎えたばかり。いまだに独身を貫く彼の、結婚観とは。
「そりゃあ普通にしたいですよ、結婚。幾つになっても、愛らしく、無邪気な面をもった奥さんがいればいいなと思います。家庭といえば、自分の子供も見てみたいな。男の子も女の子も両方ほしい。とはいえ、まずは結婚ですね(笑)」
 今回演じたニシノはとにかくモテる!のだが、甘い恋の果てに最後には必ず女性からフラれてしまうという、せつなさを抱えた男でもある。いつも儚く散る、モテ男の刹那的な恋路を竹野内はどう捉えるのか。
「きっと恋は、甘いだけでも、せつないだけでもダメなんでしょうね。どちらの要素も必要なはずです。ニシノは女性心理を詠み、その配分を時々で使い分けるのが上手な男のように思います。なぜ、そんな器用なことができるのか、自分にはまったくわからない……でも、それこそ彼がニシノユキヒコたる所以なのでは。けれど、そんなふうに女心が手にとるようにわかる彼でも、女性からはフラれまくる。この理由も自分にはわからない(笑)恋ってつくづく、難しいものですね」


『ニシノユキヒコの恋と冒険』

Story

芥川賞作家・川上弘美原作、奇跡のキャスティングで贈る珠玉の恋愛映画が誕生

ルックスがよく、仕事もでき、女には一も二もなく優しい。そして、女に関して懲りることを知らず、真実の愛を探してさまよったニシノユキヒコ。彼のまわりにはいつも魅力的な女性たちがいた。そして、ニシノは彼女たちの欲望をみたし、淡い時を過ごすのだが、最後に女性たちは必ず自らニシノのもとを去ってしまう。彼を取り巻く女性たちの思い出から、真実の愛を探してさまよったニシノユキヒコの美しく切ない人生が浮かび上がる……。

出演:竹野内豊/尾野真千子/成海璃子 木村文乃 本田翼/麻生久美子 阿川佐和子 ほか

監督・脚本・編集:井口奈己 原作:川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮文庫刊)

配給:東宝映画事業部

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(c)2014「ニシノユキヒコの恋と冒険」製作委員会

 201428日(土)全国ロードショー

nishinoyukihiko.com

Profile

竹野内 豊 Yutaka Takenouchi

1971年東京都出身。1994年テレビドラマ「ボクの就職」で俳優デビュー。1996年「ロングバケーション」1997年「ビーチボーイズ」でその人気を不動のものにする。1996年にはゴールデンアロー賞「放送新人賞」を受賞。近年では、「Boss12」(0911)、「不毛地帯」(09)、「流れ星」(10)、「もう一度君に、プロポーズ」(12)などに出演。その間にもスペシャルドラマなど数々の作品で主演を務めている。映画では日本アカデミー賞「優秀主演男優賞」を受賞した『冷静と情熱のあいだ』(01)、『明日への遺言』(08/ナレーション)、『あの空をおぼえてる』(08)、『さまよう刃』(09)、ブルーリボン賞「主演男優賞」を受賞した『太平洋の奇跡―フォックスと呼ばれた男―』(11)、『大木家の楽しい旅行 新婚地獄篇』(11)、『謝罪の王様』(13)に出演。圧倒的な存在感を生かし、幅広い役柄を完璧に演じ分ける実力派。

インタビュー・文|松永理佐(編集部) 撮影|花村謙太朗 
ヘア・メイク|RYUJI for VAN COUNCIL(DONNA) スタイリング|壽村太一(SIGNO)

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