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今、伝えたいビジネスのヒント ビジネス社会は食事で勝ち抜け!

血液栄養診断士・メディカルコーディネーター : 佐藤智春氏

今、伝えたいビジネスのヒント ビジネス社会は食事で勝ち抜け!

ビジネスパーソンたるもの自分の健康管理には無関心ではいられないが、健康のベースをつくる“食べる”ことには無頓着になりがちである。
血液栄養診断士の佐藤智春氏が指南する栄養学は、健康に関する常識や先入観を覆す意外性やインパクトに溢れ、“食”の大切さにあらためて気づかせてくれる。
“血液”という客観的なデータに裏打ちされたアドバイスには強い説得力があり、上場企業のトップをはじめ経済界にもファンが多い。
食をめぐる多くの誤解を解きたいと語る佐藤氏に、働く世代のパフォーマンスを向上させるための栄養の摂り方、健康増進の秘訣について聞いた。

「コレステロールは悪者」という大誤解

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──ビジネスに携わる者にとって“健康”は重要なテーマと思いますが、ついないがしろにしてしまう人も多いように思います。
佐藤 働き盛りの皆さんには、自分にとって“健康”とは何か、一度はじっくりと考える機会を持っていただきたいですね。
私が考える健康とは、まさに成功を勝ち取るための「道具」であり、死ぬ瞬間まで生き生きとやりたいことをやりつづけるための「手段」であるともいえるでしょう。
そこで、私が皆さんにぜひ知っておいていただきたいのが、健康を維持し、いざというときに最高のパフォーマンスを発揮するための栄養学なのです。
現代はあまりにも食の選択肢が増えすぎ、健康に関するさまざまな情報が氾濫しています。本当に体に必要な栄養をチャージし、常に高いパフォーマンスを発揮しつづけるためには、正しい知識が何より必要です。
──食と健康について、ビジネスパーソンが知っておくべきこととは何でしょう?
佐藤 まず、声を大にして言いたいのが、健康に関する従来の誤った先入観を捨て去ってほしいということです。その最たるものがコレステロールです。
コレステロールというとメタボの敵、健康の敵と言われ忌み嫌われてきましたが、実は健康の維持に不可欠です。動脈硬化を防ぐ“善玉”として知られるHDLコレステロールだけでなく、“悪玉”といわれるLDLコレステロールも、細胞膜やホルモンの材料として体になくてはならないものです。
さらに、コレステロールは脳の神経伝達物質の材料。不足することで、ストレスを受けやすく、うつ症状の原因になることも。薬でコレステロールを下げた結果、自殺者が増えたというデータや値が高い方が長生きするなどの報告もあり、コレステロール値はむしろ低すぎることの方が問題だと思います。
──卵のようにコレステロールを多く含む食品は控えるべきだというのが、今までの常識でしたが……。
佐藤 卵に含まれるコレステロールは“善玉”のHDLで、卵が健康を害するというのは大きな誤解です。卵は人体にとって良質のタンパク源で、しかも食事からしか摂れない必須アミノ酸の宝庫でもあります。ビジネスパーソンの健康を高め維持するスーパーフードとして、むしろ卵をどんどん摂っていただきたいです。

もっと日本人に動物性たんぱく質を!

──健康管理の秘訣やコツといったものはあるのでしょうか?
佐藤 私がお勧めしたいのは“血液”による健康管理です。
血液の中には、健康に関する驚くほど多くの情報が格納されています。血液とはいわば「食べたものの結果」で、血液を調べることで今の自分に欠けている栄養がわかり、体の不調の原因を理解することにもつながります。
私は30代のころ体調不良に陥り、ヘルペス、高熱、無月経、卵巣のう腫など、多くの病気に見舞われました。健康を取り戻そうと鍼や整体、市販のサプリメントなどを手当り次第に試しましたが結果が出ず、そんなときに出会ったのが、血液を分析して足りない栄養を割り出してくれる「分子整合栄養医学」でした。
これを学ぶことで、自分に不足している栄養素は何か、それが自分の体にどのような役割を果たすものなのか、そのメカニズムを知ることで不調の原因を知ることができました。血液データに表れる栄養不足のサインを知ることが食生活の改善につながり、私は健康を取り戻すことができたのです。
──佐藤さんからご覧になって、今のビジネスパーソンに共通して不足している栄養とは?
佐藤 それは、何といってもたんぱく質ですね。
私は20年にわたり、血液データからビジネスパーソンの栄養状態についてアドバイスをしてきました。その結果わかったのは、相談者のほとんどが低たんぱく質であるということです。
頭の先から爪の先まで、人間の体はすべてたんぱく質。まさに栄養の根幹です。毎日新陳代謝を繰り返しながら、生命活動を促し免疫力を高めるのもたんぱく質の役割です。
日本人のたんぱく質摂取量は、健康な人でも厚労省が定めた摂取基準より1日当たり20~30グラム足りません。手軽に良質なたんぱく質を摂れる食品として第一におすすめしたいのが、先ほど触れた卵です。もちろん、肉、魚、大豆食品もおすすめです。
──肉食など“食の欧米化”はメタボの原因と言われますが、動物性たんぱく質をたくさん摂っても大丈夫なのでしょうか?
佐藤 欧米化と言われるほど肉食は進んでおらず、むしろ問題は「ジャンク化」「コンビニ化」です。つまり、スナック菓子やドーナツ、ハンバーガーなど精製された小麦粉中心の食事が増え、日本人が親しんできた味噌や豆腐、納豆などの大豆食品の摂取が減ってきた、ということです。
一方、世界と比較すると、日本では、動物性たんぱく質や乳製品に代表されるカルシウムなど重要な栄養素の摂取量は、まだまだ少ないのです。もっと、肉を、魚を、そして卵を! と言いたいです。

正しい栄養の知識が成功への道しるべになる

──健康を維持するために、食生活で注意すべき点はありますか。
佐藤 ぜひ、次の3つに取り組んでいただきたいと思います。
まず、たんぱく質は、“食いだめ”ができないので、毎日食べるように心がけること。皮膚、爪、髪、ホルモン、免疫、骨などの新陳代謝に欠かせない1日の必要量は、体重1キログラムあたり約1グラム。体重50キロの成人では、肉・魚・豆をそれぞれ100グラム+卵3つ、牛乳2杯が目安です。
2番目は、脳が疲労しないよう食事で体調をコントロールするということ。丼物や麺だけ、パンだけというメニューでは糖質過多となります。糖質を摂りすぎると血糖値が急上昇し、その反動で急下降することで、脳が疲れやすくなるのです。
このような低血糖は体の疲労につながり、うつ病を招く原因になるとも言われています。それを予防するには、野菜やタンパク質から先に食べること。ご飯やパンなどの糖質はその後に。だるさのスパイラルを断ち切り、脳力をマックスに保ちましょう。
最後に、脳を活性化するために、腸の調子を整えること。精神の安定に必要なセロトニンは90%が腸で作られることがわかってきました。食物繊維や発酵食品で腸内細菌のバランスを整えればセロトニンが活性化し、メンタル力がアップします。また、糖尿、肥満、アレルギー、更年期症や認知症の予防なども、腸内細菌との関連で研究が進められています。
──これを食べればOK!というようなレシピ例があれば教えてください。
佐藤 ビジネスパーソン向けのフードモデルをご紹介しましょう。
まず朝は、体のスイッチをオンにするため、リンゴやキウイを入れた無糖のヨーグルトに、目玉焼きかゆで卵を加えたエナジーフードを。
お昼は、サラダや肉・魚を主体にして眠気を防止しましょう。糖質は最小限に。昼食時間を十分に確保できない方は、お蕎麦に卵と油揚げをトッピングしてみては? 魚介類をふんだんに使ったラグーソースのパスタ、ペスカトーレやカルボナーラなどのパスタもいいです。蕎麦やパスタなら血糖値の上昇は緩やかです。
そして夜は、野菜、お肉、お魚、納豆などの食材を中心に。糖分をセーブすれば疲れが残りません。お酒を飲むなら、夕方にカフェラテなどを飲んで、お酒で失われるカルシウムを補給しておくといいでしょう。
また、間食にはスナック菓子ではなく、ナッツや枝豆、ゆで卵、チーズ、ヨーグルトなどを。1日の必要量を摂取しにくいたんぱく質などが補えます。
以上のような食習慣が身につけば、今までの体調との違いを感じられるようになるでしょう。日中のパフォーマンスも上がるかもしれません。
今の時代、多忙なビジネスパーソンには、さまざまな場面で最良の判断を“瞬時に”行うことが求められます。食と健康の正しい知識がビジネス社会で活躍するための戦略になり、それを実践することであなた自身が戦力になります。
皆さんが“健康”を武器に、自らの目的と使命に従って、誰よりも先んじて活躍されることを期待しています。


佐藤智春(さとう ちはる)
1960年、山形県生まれ、北海道育ち。血液栄養診断士。メディカルコーディネーター(NPO法人分子整合栄養医学協会)。スタイリストとして活躍していた32歳の時、働きすぎで体調を崩しダウン。35歳で「分子整合栄養医学」に出逢い、自らの健康を取り戻すとともに、本格的に勉強を開始。血液栄養診断士の資格を取得する。現在は、クライアントの血液データから栄養を緻密に把握し、食・医療からライフスタイルの提案・指導を行っている。著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)、共著に『めざせ、180センチ! 身長を伸ばす7つの法則』(黒川伊保子との共著、主婦の友社、4月刊行予定)。

business_book『男は食事で出世させなさい』

(佐藤智春著、ポプラ社刊)

過労で健康を損ない仕事も収入も失った30代の著者は、いかにして生き生きとした人生を取り戻すことができたのか? 血液検査のデータから不足している栄養素を割り出す「分子整合栄養医学」を駆使し、人それぞれが持てる能力を最大限発揮するために必要な栄養のメカニズムと、それを日常生活の中で生かし実践するための「食生活の改善方法」を、具体的なメニューをまじえて紹介。

文|千崎研司(コギトスム)

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