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旅
日本の空が変わる 新しい羽田空港
10月21日、羽田空港に新国際線ターミナルと4本目となるD滑走路がオープンする。
10月31日より成田空港開港以来32年ぶりに国際定期便が就航。
11年2月末までに世界17都市に直結する(9月27日現在の予定)。
国際線新規就航のニュースが日々舞い込み、LCC(格安航空会社)参入の衝撃が走る。
都心&地方アクセス向上、24時間利用。便利になる羽田空港が人の動きを変える。
都心から24時間 世界17都市へ直結
1910年12月に東京・代々木で日本初の動力機による公開飛行が実施されてから今年で100年。日本初の国営民間航空専用空港として1931年に開港した羽田空港が、10月21日に新国際線ターミナルと4本目の滑走路をオープンし、日本の空を変える。大きな特徴は二つ。国際線運航数の増加と、都心&地方空港からのアクセス向上だ。
現在ソウル、上海、北京、香港の4都市へチャーター便が運航されているが、10月31日以降、世界17都市へ定期便が運航する。9月27日現在、次々と新規就航が発表されており、今後も増える見込みだ。便数増加の理由は新滑走路と利用時間の24時間化による年間発着枠の増加だ。昼間の時間帯だけで羽田の年間空港発着回数は現在の約30万回から約3万回増加、さらに空港利用時間の24時間化に伴う深夜早朝枠により約3万回が新設、計約6万回の増加分が国際線に割り振られた。3年後までに発着枠を44.7万回程度に、そのうちの国際線枠を約9万回に拡大する計画だという。ちなみに現在の成田空港は約20万回、アジア最大級の北京首都空港は約43万回である。
交通アクセスは格段に向上する。リムジンバス所要時間で比較すると東京駅から羽田まで20分(成田まで60分)、渋谷からは30分(同75分)。空港ターミナルでは乗り入れる外部交通を「アクセスホール」に集約し、その先のチェックインカウンターと搭乗口までを一直線で結んだ。中でも東京モノレールの新駅は改札と出国フロアが直結。大きな荷物を抱えた利用者には嬉しい限りだ。国内各地からの乗り継ぎも羽田―成田間の移動がないメリットは大きい。全日空や日本航空は羽田発国際線乗り継ぎ利用者向け国内線特別料金を設定し、国際線の販売に力を入れる。
残業後に欧米直行 深夜早朝便
羽田直結となる世界17都市を見てみよう。人気の北米、ハワイ、ヨーロッパ線が充実した。ホノルルのほか、ロサンゼルス、サンフランシスコ、バンクーバー、デトロイト、ニューヨーク、ロンドン、パリとバランスよく散らばっている。4都市だったアジア線も台北、バンコク、コタキナバル、シンガポール、クアラルンプールが新たに加わる。10月31日より順次運航予定だ。乗り継ぎでつながる都市はさらに多い。
深夜出発は欧米線と中長距離のアジア線が中心となる。パリ(1:30発)、バンクーバー(0:30発)、ロサンゼルス(0:05発、1:00発)、ホノルル(0:30発、23:59発)、バンコク(0:20発、0:30発、1:10発)、シンガポール(23:30発、23:50発、0:30発)、クアラルンプール(23:45発)、コタキナバル(1:20発)など、成田空港の利用時間(6時から23時)を外れたものが多く就航する。空港へのアクセス時間短縮と合わせ、忙しいビジネスパーソンには嬉しいニュースだ。
例えば0:30発全日空ホノルル行き。90分前の23:00に空港に到着するには、22:40に東京駅をリムジンバスで出発すれば計算上間に合うことになる。交通事情などを考慮してある程度余裕を持たせることは必須だが、都心勤務なら残業後に楽々ハワイへ旅立ててしまう。多くの場合、地方からの乗継利用者も終業後の出発が可能になる。全日空便の復路は18:15発22:30着。ぎりぎりまでホテルのビーチで楽しむか、ショッピングを満喫するか……。最終日の午後をたっぷり使うことができるのは嬉しい。22:30到着では自宅までの終電が心配という場合、JALウェイズ便(17:55発22:00着)かハワイアン航空(18:05発22:05着)を利用すれば余裕ができる。終電前の30分は大きい。
早朝到着で堂々と定時出勤できる便も多い。シンガポール(5:15着、5:40着、6:00着)、ロサンゼルス(5:00着)、ロンドン(5:00着)などだ。6時台を含めればバンコク(6:30着、6:55着)やパリ(6:55着)もある。7時に到着としても入国審査や荷物検査で空港を出るのが8時、東京駅まで20分。9時前には東京駅に到着する計算だ。5時台なら地方も含めてかなり広い地域への出勤が可能になる。
台北都心へ 週末アジア
近距離アジア線の場合、短いフライト時間と比較して成田への移動時間が相対的に長く感じた。羽田出発が増えて気軽に週末旅行を楽しめる距離になる。
注目はBUAISOにも登場した台北。羽田・松山いずれも成田・桃園と比べて都心立地となる。今までの桃園国際空港は中心部から40㎞以上離れており、車で1時間かかった。松山空港は台北駅からわずか4km、南京東路まで2km足らずと台北の真ん中だ。最も早い7:00発9:45着なら午前中の会議にだって何とか間に合う。8:10発11:15着なら小龍包ランチも可能だ。航空4社全8便、使い勝手が良い。中山エリアでブランドショッピングやホテルのアフタヌーンティーを楽しんでから18:15発21:55着で帰国。これなら翌日の仕事にも支障をきたさない。
成田・仁川と比べてともに都心に近くなったソウル(金浦)もおすすめだ。金曜19:55発でソウルへ。22:15到着後はホテルで1週間の仕事の疲れを癒してのんびり。土日は本場の参鶏湯や焼肉をたっぷり満喫して月曜8:00発10:05着で帰国、リフレッシュした姿で午後から出社する。月曜午前に休みを取るだけでこれだけの休暇が楽しめてしまうとはお得だ。
ちなみにロンドン便は往路が6:25発10:00着、復路が8:00発5:00着、パリ便は往路1:30発6:20着、復路11:00発6:55着。週末旅行が不可能ではない。現地滞在時間はそれぞれ22時間、28時間。旅行など行かなかったように涼しい顔で出社するもよし、同僚に自慢するもよし。もちろん機内で熟睡するための準備は万全に整えておこう。
LCC参入の衝撃
9月21日、アジア最大のLCC(格安航空会社)エア・アジア(マレーシア)が12月9日からの羽田―クアラルンプール間定期便就航を発表し衝撃を与えた。クアラルンプールまで片道5000円というキャンペーン価格で日本人観光客にアピールするほか、マレーシア人向けに日本キャンペーン「moshi moshi JAPAN」を打ち出して日本への送客を狙う。羽田からの国内ネットワークもエア・アジアにとって魅力だった。
現在日本に乗り入れているLCCはジェットスター(オーストラリア)、セガ・パシフィック(フィリピン)など5社。最近では茨城―上海間4000円の特別価格を打ち出した春秋航空(中国)が注目を集めた。特に関西空港はLCCの誘致に注力しており、ジェットスター、ジェットスター・アジア、エアプサンなど4社が就航、利用者も多い。今回、都心に近く空港利用料も高い、LCC向けではないと思われた羽田への大手LCC就航として激震が走ったのだ。
世界では常識化しているLCCだが、規制で守られてきた日本の航空業界への影響が現れるのはこれからだ。9月9日、全日空は関西国際空港を拠点とするLCCを11年度にも設立すると発表した。従業員は別採用、給与体系も分け、機内食の有料化などでコストを抑える。ANAと別ブランドで国内線、国際線を運航するという。会社更生中の日本航空も更生計画の中でLCC参入を検討するとしている。欧米ではLCCが広まったことで既存航空会社の収益を圧迫し、再編や倒産につながった。一方でオーストラリア最大手カンタス航空は、子会社にジェットスター航空、ジェットスター・アジア航空などのLCCを持ち、すみ分けを図っている。日本の航空業界の今後が注目される。
庶民レベルの国際理解とグローバル化
日本人海外旅行者数は増減はあるものの20年前と同レベルの1599万人、日本への外国人旅行者は毎年徐々に増え続けて835万人だ(08年。法務省入国管理局調べ)。世界で広がるLCCは航空運賃を劇的に低下させ、鉄道などの他の交通運賃にも影響を与えた。結果として人の動きを活発にし、仮想空間上だけでない直接交流と庶民レベルの相互理解を生んだという。低料金であるほど多様な層の人々が動く。
羽田発ツアーの売れ行きは好調だ。ある大手旅行代理店では「羽田発はまだ便数も少ないので年末年始だけでなく週末はかなり混んでいます。1月以降であれば比較的取りやすいのですが」とのことだった。都内のホテルでは日本のアニメ文化を打ち出した宿泊プランなどで外国人観光客にアピールする。
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