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新春SP/レンズ越しの世界

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日、出づる

 
日曜日、午前4時半。朝日を見に行こうと決めた。辺りがまだひっそりと寝静まっている頃、人々を気遣うようにそっと街を抜け出した。
 
東の空は白ずんできた。地図を持たず何を当てにするでもなく、本能の赴くままに海辺を目指した。
 
潮の香りを感じる。波の音が聞こえてくる。
 
ぱっと視界が開けたとき、湾を隔てた向こう側に富士山が見えた。その姿は小さくとも、被写体としての圧倒的な存在感を放ち、象徴的な美しさを秘めていた。
 
古来より神として崇められ親しまれてきた富士山。今や国境を越えるほど多くの人々を惹きつける理由はなんだろう――。
 
いつ見ても、どこから見ても、飽くなき魅力をもった、つくづく不思議な山。
 
「もしかしたら富士に呼ばれてこの場所に辿り着いたのかもしれない」
 
信仰心の薄い人間でさえ、畏れを抱き、自然とそう思えてしまう。
 
まだ日が出づる前、いつの間にか僕は夢中でシャッターを切っていた。
 
 
2014年もビジネスマガジン『BUAISO』と、ウェブマガジン『BUAISO.net』をよろしくお願いいたします。
                                       BUAISO&BUAISO.net 編集部
 
 


Text & Photo By  Kentaro HANAMURA

昭和59年3月4日生。愛知県出身、東京都在住。旅で写真を撮り始めたことを機に、フォトグラファーを志す。

ポートレート写真家・山岸伸氏に師事し、2011年6月に独立。人物、風景を主に被写体とし、活躍の幅は広告、雑誌、WEBなど多岐に渡る。

 

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