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【Intercity】 Walking Around New York City

【Intercity】 Walking Around New York City

様々な要素が凝縮して混ざり合い、今もなお進化し続ける街、ニューヨーク。9.11以降続く街の葛藤、新しいライフスタイルの芽生え、魅力的な人々……。ニューヨークの今を肌で感じるため、今回は自分の足で歩いて街を回る。

歩くことで感じる葛藤と新たな文化の芽生え

 ニューヨークは世界屈指の巨大都市。多くの人、物、文化が日々出入りを繰り返しながら、進化を続ける街だ。地下鉄、バス、タクシー、レンタルサイクルなど様々な移動手段が豊富に揃っているが、せっかくこの地を訪れたのであれば、朝少し早起きをして、街の空気を味わいながらのニューヨーク・ウォーキングをおすすめしたい。多少の疲労感と目的地に着いた喜びも相まって、交通機関を使った移動とはまったく違った爽快感が得られることだろう。
 ブロードウェイをまっすぐ南下して行くと、ロウアー・マンハッタンに辿り着く。そこにはウォール街があり、世界一上場審査が厳しいとされるニューヨーク証券取引所やアメリカ合衆国議会旧議事堂であるフェデラルホールなどが建ち並ぶ。現在は多くの金融機関が本拠地をウォール街からミッドタウンやニュージャージーに移し、純粋な金融街とは言えないものの、かつての世界金融の中心地たる存在感にはやはり圧倒される。ウォール街からすぐのところに、グラウンド・ゼロがある。2001年に世界を震撼させた9.11の舞台となったこの場所は、世界中から集う観光客と新たに再建される「ワールドトレードセンター」の建設ラッシのため、騒然としていて落ち着かない。
 この場所からニューヨークが、アメリカが、そして世界が大きく変わった。かつて、20世紀のアメリカは、政治・経済、文化面でも世界を制し、この世の春を謳歌していた。しかし、その延長で、誰もが信じて疑わなかった輝かしい21世紀の幕開けは、同時多発テロという未来永劫、絶対に拭いされない衝撃と共に幕を開けるに至った。その時、ニューヨークは、アメリカは、初めて後ろを振り返ってみたのである。自分たちはもしかしたら、正しいと信じて走り続けてきたことで知らずうちに人を傷つけ恨みを買っていたのではないのかと。利潤を極限まで追求し、何にも縛られずに自由に生きることが最高の幸せと考えていた人々が一瞬、立ち止まったのである。そして、立ち位置がおぼつかなくなり、進むべき方向がぼやけはじめたのである。
 今回、数年ぶりにニューヨークを訪れ感じたことは「安全」と「清潔」。かつての地下鉄の駅はもっと汚かった、夜の街にはもっと危うさが漂っていた。今のニューヨークの「安全」と「清潔」は、彼らの「もがき」を象徴しているのかもしれない。けれど、後ろを振り返り、立ち止まって、また走りはじめる人々は、以前よりももっとやさしく、強くなれるのではないだろうか。「もがき」の中からまた新たな文化とライフスタイルを生み出されると信じている。

1.ワシントンスクエアパーク。凱旋門と噴水が目印の居心地の良い公園 2.再建中のワールドトレードセンター。7つのビルを現在建設中で2010年代に完成予定 3.ニューヨーク市警の綺麗なお姉さん。道を聞く口実で近づき撮影させてもらう 4.トリニティ教会墓地。ロウアー・マンハッタンにある教会。一般に開放されており日本のお墓のイメージとは違う明るさが感じられた

1.ワシントンスクエアパーク。凱旋門と噴水が目印の居心地の良い公園 2. 再建中のワールドトレードセンター。7つのビルを現在建設中で2010年代に完成予定 3.ニューヨーク市警の綺麗なお姉さん。道を聞く口実で近づき撮影させてもらう 4.トリニティ教会墓地。ロウアー・マンハッタンにある教会。一般に開放されており日本のお墓のイメージとは違う明るさが感じられた


文・写真|細谷聡

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