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半世紀に一度の「文化財修理見学」世界文化遺産・国宝姫路城と「天空の白鷺」

半世紀に一度の「文化財修理見学」世界文化遺産・国宝姫路城と「天空の白鷺」

軍師・黒田官兵衛の生誕地

2014年放映の大河ドラマが『軍師官兵衛』に決定した。主人公の黒田官兵衛は、戦国時代末期に播磨国姫路城主の長男として生まれ、武力ではなく智力をもって敵を下す傑出した軍師として名を馳せた。織田信長の将来性をいち早く見抜き、豊臣秀吉に天下を取らせ、秀吉から次の天下を狙う男として警戒された人物である。
官兵衛が生まれ育った姫路城。白鷺が今にも飛び立つような優美な姿から白鷺城の名で世界に知られる。その天守群が今、素屋根と呼ばれる建物に覆われている。傷みや汚れがひどくなった白漆喰壁の塗り直し、屋根瓦の葺き直しなどを中心に、5年間にわたる「平成の保存修理」の真っ最中なのだ。そして修理中の今しか見ることができない匠の技が、この巨大な覆いの内側にある。
慶長年間に建てられ、世界的に高い評価を受ける姫路城。1609年、池田輝政が今のかたちに完成させ、江戸幕府の西国防衛の要となった。1951年に国宝指定、1993年には日本で初めてユネスコ世界文化遺産に登録された。世界文化遺産の登録理由として、独特の建築構造とともに、櫓や石垣、門、塀など城全体の保存状態の良さから当時の城郭様式を現在に伝えていることが挙げられた。大天守と3つの小天守を渡り櫓で結ぶ連立式天守が完全な形で残っており、白漆喰で塗り込められた天守や櫓が美しいこの城は世界に誇る日本の宝だ。
姫路の歴史は古く、およそ1万年前の縄文時代から人が住んでいたことが確認されている。645年の大化の改新後に播磨国の国府が置かれ、8世紀に聖武天皇の勅令で国分寺が建立されたことで姫路が播磨の中心として栄え始めた。広峯神社や書写山圓教寺などの古刹が創建されたのもこの時代だ。室町時代に築かれた姫山の砦の上に豊臣秀吉が三層の城を築城した。そして関ヶ原の戦いの後、徳川家康の次女を妻に迎えていた池田輝政が城主となり、徳川幕府の西の要として西国の諸大名をけん制するため、江戸城にも匹敵するほどの天守を持つ現在の姫路城を築き上げた。
JR姫路駅で新幹線を降りると、周辺で大規模再開発が進む駅前から延びる目抜き通りの正面に姫路城がそびえる。その距離わずか徒歩15分ほどだ。城下町として栄えた姫路は、近代以降にはものづくりの町として栄え、高度成長時代の製造業を支えた日本の屋台骨の一本である。市民の誰もが「自分の家から見るお城が最も美しい」と誇らしげに胸を張るのはこの街の大きな特徴だろう。歴史に思いを馳せながら、日本の至宝を堪能する街歩きを楽しみたい。

修復工事前の天守群

大天守が描かれた素屋根の内側で工事が行われている

この先の城門まで姫路駅から徒歩15分


姫路市
人口:536,300人(男259,396、女276,904)世帯数:210,216世帯 面積:534.43平方キロメートル 市長:石見 利勝(いずれも2012年10月現在)文化・観光施設入場者数:3,178,857人(2011年度)

文:羽田祥子(編集部) 協力:姫路市

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