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魅惑の大国 インドネシア ~日本発のアイドルビジネス・スキーム インドネシアでの勝算は

魅惑の大国 インドネシア ~日本発のアイドルビジネス・スキーム インドネシアでの勝算は

日本発のアイドルビジネス・スキーム
インドネシアでの勝算は

日本国内CD売上No.1を爆走するAKB48。その姉妹ユニットとなるJKT48の第1期候補生オーディションが11月2日ジャカルタで行われ、合格者28名が同日お披露目された。
審査と会見のためジャカルタ入りしたAKB48 ・JKT48プロデューサー秋元康氏の胸の内とは?

秋元康

 日本とインドネシアの報道陣が待つ会見場に秋元氏、MNCグループのレイノ・バラック氏、電通メディア・グループ・インドネシア代表ハリス・タエブ氏が入場、順にあいさつを行った。 
 最初に登壇した秋元氏は、審査を経て、文化、言葉、習慣、国民性の違いはあれ、必ず成功すると確信したと述べた。また「音楽はそれだけで伝わる。言葉が分からなくても、一つになれるということはインドネシアのファンに伝わるのではないか」とJKT48の歌と笑顔が両国の架け橋になると語った。

JKT48

 インドネシア最大のメディア・コングロマリット、グローバル・メディアコム傘下MNCグループ(メディア・ヌサンタラ・チトラ)のバラック氏は、実際に秋葉原の劇場を訪れ、「会いに行けるアイドル」というコンセプトに共感、JKT48のプロジェクトに参加を決めたという。「どの国でも受け入れられるプロジェクトだと思います」と、一過性ではなく、長期的な事業の成功に自信を見せた。MNCはテレビ・ラジオ局、新聞、タブロイド紙を持ち、加えてタレント事務所やコンテンツ事業も抱える総合エンターテインメント会社だ。地上波テレビ市場の40%を占める影響力は、JKT48の成功に劇場とは異なるアプローチで寄与するに違いない。現地で運営を担当する電通メディア・グループ・インドネシアのタエブ氏は「女の子たちはJKT48での活動を通じて人間として成長していくだろう」と述べ、今後も新メンバーを募集していく考えがあることも示唆した。初の姉妹ユニット誕生がなぜジャカルタだったのかとの問いに秋元氏は「他の国からもアプローチはありましたが、ジャカルタのチームが一番熱意を持っていた。それに僕も押された感じです」と答えていたように、ジャカルタ側がけん引する部分が多分にありそうだ。インドネシアの国を代表する国民的アイドルを目指すと意気込んでいる。

JKT48

 すでにAKB48のメンバーが出向き、公演を行っている台湾、シンガポールを除き、他のアジア諸国への進出は今のところ計画がないとのことだが「熱意があれば、どこででも成立する」(秋元氏)との言葉通り、アジア各国に姉妹ユニットが誕生するのも遠い将来ではないだろう。しかし、小さな劇場からスタートすることが基本で、それぞれの地点での人気の高まりが世界に飛び火していけばいいとの考えだ。勢いに任せた世界進出は考えていない。地元のファンが押し上げる「身近なアイドル」を貫いていく。

 インドネシア全土から約1200名の応募があり、最終選考に残った51名の中から28名が見事合格した。秋元氏によれば「51人中48人歌がうまかった。そこが日本のオーディションと違っているところ」だそう。“未完成から頑張る姿“が売りのAKB48だが、2011年末までには何かしらの露出を予定し、来春には劇場デビューを望むJKT48運営サイドとしてはうれしい誤算かもしれない。キャラクターが光っていれば、歌が下手でも、ダンスが下手でもメンバー入りできると明言する秋元氏。JKT48の面々はどんなキャラクターがそろったのだろうか。唯一の現地在住邦人でメンバー入りしたレナ・ノザワ(通称レナ、13)、最年少ナビラー・ラットナ・アユ・アザリア(通称ナビラ、12)、最年長アリサ・アストリ(通称アリサ、21)、最初のギャラを「学費に使いたい」と話したクレオパトラ(通称クレオ、17)など、年齢も幅広く、優等生もいればお転婆な子もいるだろう。歌のうまさに加えて「自分の言葉を持っていて、自分の考えをちゃんと伝えることができる」ことが日本のオーディションとの違いだったと秋元氏が驚いたように、“自分”を確立した個性的なメンバーが集まったのは間違いない。これからそれぞれ自分の色を出してくるのが楽しみだ。


取材協力:Ministry of Tourism and Creative Economy, Republic of Indonesia、 ガルーダ・インドネシア航空
文:羽田祥子 川口奈津子(編集部)

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