金融危機がもたらした学生の志向の変化
「昨年のリーマン・ショック以前、金融業界で成り立っているマンハッタンは異常ともいえる状況でした。実体を伴わないマネーゲームをやっていましたからね。
日本のバブルでは、一部の人々が土地の高騰によって巨額の富を得ましたが、こちらのバブルはそれどころではなかった。国民全体の価値観を根本から変えてしまい、さらにはそれが国の体制にまで及んだといえます。ようやくこのショックによって軌道修正し始めたのではないでしょうか」。
学生の志向にも変化が見られたと言う。
「リーマン・ショック以前は、うちの学生の多くも金儲けのことしか考えておらず、ほとんどが金融業界で働くことを希望していました。ところが今年の春の授業から大きく変わりました。起業したいという学生が再び増えてきたのです。中には非営利組織として社会貢献したいという者も少なくない。皆、人生のクオリティを意識するようになってきたように思います」。
しかしながら雇用面では、まだアメリカはブリーディング(=血を流している)な状況だ。失業率は9.7%(米労働省による8月の雇用統計)と依然、高水準である。
「でもね、アメリカの社会ってすごくタフなんですよ。だから僕は楽観視している。アメリカはすぐにまた元気になりますよ」。
「タフ」たり得る――その源泉は「起業家精神」にあると高田氏は見る。





















