スマトラ沖大地震の復旧
スリランカ、モルディブの実例
壊れた都市機能を直し次の災害に備える支援も行う。スマトラ沖大地震後にはインド洋周辺国が支援対象国となった。
モルディブでは、ほぼ毎年高潮の被害があったマーレ島に、大地震の前にJICAの援助で堤防が建設されていた。この援助が全島民の命を津波から守った。一方、他の島々ではこの津波により多くの子供が亡くなり、地震後には様々な防災支援が行われた。
スリランカでは、津波を契機に防災の役所、防災省ができた。「それまで小さな役所はありましたが、ほぼゼロから立ち上げた状態だったので、人材のトレーニングを重点的に行いました。専門員が現地で指導し、また現地スタッフを日本に呼んで防災教育をしました」。地震、台風など災害の多い日本ならではのノウハウの積み上げは、世界に大いに貢献しているのだ。
洪水の予備警報のシステムを整備し、大雨洪水警報をを出して逃げる訓練もしている。「津波観測データは太平洋の観測センター送信する予定ですが、現在は暫定的に日本の気象庁が観測・データ送信しています。24時間交代で見張って観測して、地震があるとFAXを送るという地味な作業ですがほとんど知られていません」。
防災分野における日本の技術は世界でも圧倒的に高いという。季節ごとの災害の経験がそのノウハウをさらに高めている。「日本人は災害対策の大切さが身にしみて分かります。欧米で水というと井戸を掘るものだと思っていますが、日本人には、水がないのも困るがありすぎるのも困るという治水の感覚が根付いています。都市化が進むと洪水が起きやすくなりますので、日本の技術を大いに生かすべき分野だと思いますね」。
主に支援対象国となるアジアとアフリカ諸国だが、地域によって支援内容は異なる。「アフリカだと洪水対策よりもインフラの整備が重要視されます。アジアは土地が低いところが多く、どこも洪水問題を抱えていますね。渋滞・道路交通問題は共通の問題です」。