2001年のタリバン政権崩壊後、カルザイ政権のもとで各国のドナーが入り、復興への機運が高まった。JICAは02年カブールに事務所を設立。現在南アジア部南アジア第三課企画役の三井祐子さんは、04年から09年の間カブール事務所に駐在した。平和構築には様々な活動が含まれる。「インフラ整備、国境管理などすべてのプロジェクトを包含してアフガニスタンの平和につながる活動と考えています」。
text: 羽田祥子(編集部) 写真提供: JICA

50万人規模都市カブールに400万人以上が住む。インフラが不足している

女性の自立、農業開発、新カブール構想

「現在アフガニスタンでは、インフラ整備、農業農村開発、教育医療などの基礎生活分野などが特に望まれています」。三井さんは駐在初年度はジェンダー活動に従事した。「女性の生活向上を促す女性省の人材育成にもあたりました。内戦、タリバン政権時代、とアフガニスタンには女性抑圧の歴史があります。70年当時は女性が普通に社会進出していましたが、この30年、女性がお金を稼ぐことはできませんでした。稼ぐ手段が欲しいという要望を聞き、継続して彼らが稼げるシステムを与えました。具体的には、カンダハル、カブール、バーミヤンで、牛の生育を教えたのです」。まず牛とワクチンをJICAが与え、成育し、乳を絞り、ミルクやバターを売って稼ぐ。牛を増やし、村で牛をもらえなかった人にあげる。当初は個人でミルクなどを売っていたが、協同組合を作り、より高値で売れるようにした。自立できる金額ではないが、自由になるお金ができたことは大きな意味を持つ。

 JICAは国の成長段階により機動的にプロジェクトを変えている。計画から実行までが非常に速い印象を受ける。「01年にタリバン政権が崩壊した時、必要なものをすぐ作るシステムを作りました。通常なら1年かかるところを3カ月で着工できるようにして、基礎インフラを整備したのです。03年になると人材育成の必要が出てきたので、アフガニスタン政府の人材育成に、現在も力を注いでいます。一方でインフラ整備はまだまだ必要なので、カブール首都圏開発を同時に進めています。そのアプローチで面白いのは、地方の農業インフラと都市部の運輸生活インフラを同時に進める、面的アプローチをとっているところです。JICAの活動地域が限られるため、できる限り広く被益者が広がるように、そしてそれができたらなるべく他の地域にも広げるよう心がけています。安全が許せばその成果を別の安全な地域に広げます。例えば東部のパキスタン国境地帯で行ったプロジェクトを応用し、北部農業地帯で農業開発プロジェクトを進めています」。

JICAが建設した学校で学ぶ。将来のアフガニスタンは彼らの手にある

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