およそ30年も前から節水技術の研究開発を続けるINAX。そのチャレンジ精神と今後の展開について、INAXの中山裕司氏に話を聞いた。
text: 永野幸(アクビ・インタラクティブ)

海外市場での強みと課題

――海外市場では、このような節水技術はより必要とされているのではないかと思いますが、海外への進出については、どのようにお考えですか?

N)実は、現在の節水トイレのグローバルスタンダードは6リットル洗浄。最先端のもので3.8リットルまで節水は進んでいます。しかし、蓋を開けてみると、流しても1回できちんと流れず、結果的に節水になっていないものが多くあるんです。私たちは、世界の中でもずば抜けた品質を持っていると思っています。品質というのは、簡単に壊れない、汚物がちゃんと流れる、という基本的な2点です。私たちも、4リットルレベルの節水トイレは、技術的には実現可能です。しかし世界の競合他社と同じ品質レベルでいいのかというと、そうではないと思う。世界で認められている日本の品質を、きっちり強みにできるような商品を販売していきたいなと思うんです。

――反対に、海外市場での課題はどのようなところにありますか?

N)世界で広がっていくためには、お客様に受け入れられる金額も重要です。アジアでは、2~3年でモノが壊れても仕方がないという意識がありますが、私たちは10年使っても大丈夫という意気込みでモノをつくっており、そのような高品質の商品を提供しようと思うとどうしても価格が上がってしまう。価格の面をクリアするための技術革新も今後必要かもしれません。いくら良い商品でも売れなければ宝の持ち腐れになってしまいますから。一方で、アジアの文化レベルが上がり、機能や品質への意識も発展し始めている今こそ、私たちの強みを売り込むチャンスとも言えると思います。私たちは今年、中国やタイなどのトイレ市場で高いシェアを占めるアメリカン スタンダードのアジア・パシフィック部門を買収し、協力を始めました。アジアでまず地盤を固め、将来的には欧米も視野に入れた積極的な海外進出を考えています。「さすが、海外の高級ホテルのトイレはINAXだね」そう言っていただけるよう、がんばっていきたいですね。

株式会社 INAX(INAX Corporation)

設立: 1924年(大正13年) 2月1日
本社所在地: 愛知県常滑市鯉江本町 5-1
資本金: 485億円
従業員数: 15,861名(国内子会社13社、海外子会社7社含む、2009年3月31日現在)

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