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FTTHも携帯も届かない森の中から

 2003年11月にすべてのビジネスから離れまして、一念発起、森の中で暮らしています。FTTHも届かず、携帯電話もほとんど圏外、BSやCSも、春から晩秋にかけて、唐松や桜の葉が茂ると、受信不能になるようなところです。
 しかしADSLはかろうじて12Mの契約ができます。またCATVも完備していますので、いわゆる「物理的なIT Divide」にはならずに済んでいます。おかげで、業界の様子もある程度分かりますし、地デジも東京のキー局が入りますので、ある程度時代にはついていっているつもりです。

時代は変われどビジネスの根幹は不変

9月のリーマン・ブラザーズ経営破綻は日本の金融市場にも大きな影響を与えた。国際社会で日本のビジネスパーソンはどのようにして生き残るのか、今一度、考える必要がある(Photo:ロイター/アフロ)

 1962年に卒業をして、飛び込んだのが、今でいうIT業界。右も左も分からぬうちに、気がついたら40年以上もこの業界にお世話になりました。しかも、すべて外資企業の日本支社から禄を食むことで、生きてきました。
 IT業界も変わりました。就職したばかりの時分は、機械式のものが多く、コンピューターといってもパッチ・パネルにケーブルを差し込むようなものでした。それが今ではマウスでコンピュータを動かす時代になってきました。
 しかし、ビジネスのベーシックは変わっていないでしょう。私の場合、外資の日本支社ですから、いろいろなカルチャーショックを常に受けていました。親会社の言い分、子会社の言い分、そして顧客の言い分、そう言ったものの狭間で生き延びるには、「苦労をしている」という感覚を持たないこと、むしろその「神経をすり減らすものをenjoy(楽しみ享受)する」ことに気が付きsurviveしてきたと、今振り返って分かるようになりました。

「努力」という言葉は日本人をはじめ儒教的思想の持ち主が好きな言葉ですが、私は好きではありません。
 例えば英会話といった「努力しなければならないこと」は楽しんでやるようにすれば自然に身に付くものなのです。「いやだなぁ、またあれか」と溜息をつきながら何かをしてもなかなか身に付きません。
 要するに何をするにしても、それを楽しむ姿勢が大事です。言い換えれば「ズルをする」ことです。私が師と仰ぐ人は「物事はinertia(惰性)で動く」と言いました。
 目の色を変えて、ねじり鉢巻きも良いかもしれませんが、それを続けたら疲れること請け合いです。
 それでもビジネスを遂行していく上には、最低の要件はあります。それらのお話をしたいのですが、皆さんには、人生をenjoyしながら、大成していただきたいのです。
 そういう観点からこれから連載をしていく所存ですので、どうぞお気楽にお付き合いいただければと思います。


石原憲一(いしはら・けんいち)
1962年慶應大学卒業(英文学専攻)。日本Olivettiに入社し、ソフトウェア統括部長、子会社社長を経て、1982年GE(ゼネラルエレクトリッ ク)社にて商用ネットワーク部門を担当、電通国際情報サービス常務取締役を兼任。1999年に退職後もGEに嘱託として残り、同時に KDD、シェル・サービス、JetFormの顧問やコンサルタントとして2003年末まで勤め、現在は長野県の森の中で隠遁生活中

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