ホーム / Column / ブアイソー世代のための資格講座 / ブアイソー世代のための資格講座(第4回)社会保険労務士 前編

ブアイソー世代のための資格講座(第4回)社会保険労務士 前編

社会保険労務士 近藤恵子氏

社会保険労務士 近藤恵子氏

扱うのは身近で
役立つものばかり

 腕カバーを着けた人事部、総務部のじみ~なオジサンが持っている資格。社労士に対していまだにそんなイメージを抱いている方はいないだろうか。
「社労士試験を目指す方の中にはもちろん人事部で働く方もいますが、今は、システムエンジニア、公務員など全く違う職種の方も結構います。不況の折、何か身につけておかないと、と考えた時に、労働基準法、労災保険、雇用保険、健康保険、年金といった身近で役に立つ知識を扱う社労士に興味を持つ方が多いようです。受験申込者数の推移を見ても、20年前は1万5000人ほどでしたが、増え続けてここ数年は大体6万くらいを維持、今年は約6万7000人と過去最高の人数となっています」(社会保険労務士・右田修三氏)

社会保険労務士

トラブルの増加により
役割が大きくなる社労士

 実は人気資格の社労士。なぜか。
「時代の要請だと思います。今は問題噴出なんですよ。例えば、マクドナルドに対して店長への残業代支払いを命じた判決をご記憶の方も多いと思いますが、『名ばかり管理職』のサービス残業の問題がひとつあります。その他、解雇や転勤に絡む労働紛争など、会社と社員とのトラブルが多くなっているのも事実です。原因のひとつは、労働者の権利意識が非常に強くなったこと、もうひとつは問題社員が増えたこと。
 権利意識が高まった背景には、成果主義の導入に伴い転職が多くなったこともあります。以前は年功序列の終身雇用でした。社員は給与明細をいちいち確認なんてしません。ところが転職を繰り返していくと、目が肥えてきて細かい不備が見えます。小さい企業だと、なかなか就業規則などを整備しきれませんからね。もう1つの問題社員というのは、職場に対するいろいろな不適合、心の病とか社会になじめないといったケースです」(前出・右田氏)
「うつ病などメンタル系の病気の認知度が上がったこともあるかと思いますが、それにしても増えているなと感じます。例えば、うつ病にかかった社員を安易に辞めさせてしまってトラブルに発展する、といったケースが増えているのです。休職規定さえ整備していれば、こんなことにはならなかったのに……とたまに歯がゆく思います。
 派遣社員、パートタイマーなども含め、いわゆる契約社員の雇い止めに関するトラブルも増えてきています。更新が何度も重なって正社員同様に仕事をしていたが、不況になり、会社が『申し訳ないけれど更新できない』と言った時に『私だけどうして?』とおっしゃる方もいます。有期といえども、更新回数を重ねている場合には、正社員の解雇と同じように考えていく必要があります。そうなると、判例や過去の事例を含めて検討していかなくてはなりません」(社会保険労務士・近藤恵子氏)
 トラブル増加に伴い、社労士の役割が大きくなっているわけだ。
「トラブルがあってから相談を受けて伺うと、最初に契約書を交わしていなかったとか、紙一枚、ちょっとしたことが発端となっていたりします。これからの会社には、トラブルが起こる前に防ぐ、という姿勢が必要だと思います」(前出・近藤氏)

コラム「資格マメ知識」
宇宙飛行士【後編】

 前編では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米国航空宇宙局(NASA)、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)の宇宙飛行士を話題にした。
 だが、宇宙飛行士は国や国の集まりレベルの存在だと早合点しないでほしい。2004年6月21日「スペースシップワン」は民間企業による宇宙船として初めて、有人宇宙飛行を実現した。つまり、高度100kmを越えたのだ。その後10月4日には高度112.01kmを達成し、国際航空連盟(FAI)に世界記録として認定された。その記録において、パイロットは「Astronaut」すなわち宇宙飛行士として記載されている。もう民間の宇宙飛行士も存在するのだ!
 ところで「航空」の団体がなぜ宇宙の記録を認定するのか、と疑問を持った方もいるかもしれない。
「FAIは1905年に設立された国際組織で、航空及び宇宙活動を世界的に促進することを目的として、航空スポーツ大会の開催、航空及び宇宙の世界記録の認定等、様々な活動を行っています」(財団法人日本航空協会・航空スポーツ室・小川啓子氏、傍点は筆者)
 そもそも地上から100km(カーマンライン)を宇宙空間と大気圏の境界線と定めたのは、FAI。航空宇宙に関する組織として、FAIはNASAやJAXAの大先輩なのだ。世界記録保持者としてFAIからメダルを授与された日本人宇宙飛行士だっている。例えば、向井千秋宇宙飛行士は、宇宙飛行時間14日17時間54分50秒という記録について、土井隆男宇宙飛行士は、飛行中にドッキングしたスペースシャトル+宇宙ステーションの総重量36万7964㎏について、それぞれドゥ・ラ・ボー・メダルを授与された。このメダル、FAIの創設メンバーであり、航空機事故で死亡したドゥ・ラ・ボー伯爵を偲んで制定されたもの。日本人として初めて国際宇宙ステーションに長期滞在した若田光一宇宙飛行士にも、いずれメダルが授与されるだろうが、時間や重量にこだわるあたり、いかにも気球が上流階級のスポーツとして脚光を浴びていた時代に生まれた団体らしい。
 これからの宇宙時代には、どこが認定した宇宙飛行士か、までチェックする必要が出てきそうだ。


『知らないと損する労災保険』 近藤恵子/著 堀江篤史/本文イラスト  東洋経済新報社刊『知らないと損する労災保険』
近藤恵子/著 堀江篤史/本文イラスト
東洋経済新報社刊

文:渡辺麻実

Scroll To Top