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ハイアット リージェンシー 京都

後白河法皇ゆかりの地

ゲストルーム。明るい色のタペストリー(古布)が掛かっている。男性好みの渋い種類のタペストリーを飾った部屋もある。それぞれの部屋の個性が楽しい

 京都、東山七条。後白河法皇の御領であった敷地の一角である由緒ある地に、ハイアットリージェンシー 京都が佇んでいる。深い緑に囲まれ、三十三間堂、京都国立博物館、智積院に隣接する落ち着いた場所ながら、京都駅から車で5分の距離という希少な立地である。
ハイアットリージェンシー 京都は、3年前の全面改装により誕生した。数多くのレストランやホテルなどを手掛けたスーパーポテトの杉本貴志氏がデザインを総監修し、日本人・外国人とも日本を感じることができる「コンテンポラリージャパニーズ」をテーマに、居心地の良い空間を作り上げている。
 天井高のあるロビーは、日本の伝統文様がデザインされた透かし組みから溢れる灯りに覆われ、温かな和の空間となっている。高速無線LANが開放されており、ソファではPCを手にする外国人も多い。外国人比率、特に欧州からの旅行客の割合が高い。スタッフが英語に精通しているため、旅行客が気兼ねなく過ごせるのだろう。また、年齢層では30代後半以上が多く、観光地にありながら上質で落ち着いた雰囲気が大きな魅力だ。白木の色をベースにした淡いベージュの色合いが、空間を広く見せ、安らぎを与える。

上質なぬくもりと京都らしさ

ワークデスクに置かれたうれしい心遣い。「職人の手によって、ゆっくりと時間をかけて作られた美しいお菓子です」とのメッセージに京都の素晴らしさを再認識する。一部のゲストに提供されている」

 客室へと向かう。廊下ですれ違うスタッフの対応が温かく、心地良い。客室に入ると、枕上に飾られた色鮮やかな着物の古布に目を奪われる。大正時代の反物を集めたもので、部屋ごとに色合いも模様も全く違う。和紙に覆われた照明が柔らかな光を放つ。ワークデスクには、職人の手による宇治抹茶の金平糖の小瓶が、手紙とともにそっと置いてあった。老舗旅館で上質な和菓子を出される感覚にも似た、うれしいサプライズである。「季節によってお出しするものは違いますが、京都のお菓子を味わっていただいております」(PRアシスタントマネージャー木村和子さん)。備え付けのペットボトルの水は京都の酒所、伏見のものである。カーペットはパールトーン社のものを使用し、スイートタイプの客室には半世紀の歴史を持つ「ちどりや」のアメニティを常備するなど、徹底的に地元京都にこだわっている。

リージェンシー エグゼクティブ スイート。琉球畳の上で寝転びながら日本庭園を丸ごと楽しむことができる

 グラス、洗面用具など、必要なものはすべて引き出しに収納されておりすっきりしている。陶器の茶碗と皿が備え付けられているのもうれしい。半円と長方形が組み合わさったワークデスク、白木と和紙が織りなす柔らかで落ち着く色合い、すっきり広々とした部屋。すべてが心地よく、心が落ち着く。頭の中がリフレッシュするようで、仕事がいつもよりはかどるのだ。「特にエグゼクティブの方に好んでいただけるようです」(木村さん)。高速LANは全室に完備している。関西出張の際、ハイアットリージェンシー 京都をベースに大阪、神戸へ出掛けるという人の気持ちが理解できる。洗面スペースから独立したバスルームは、深さのあるバスタブで完全に疲れを癒すことができる。夜が明けたら窓からの景色を楽しみたい。満開の桜が過ぎた頃には、新緑が目に眩しく、四季折々の美しさが堪能できる。庭に面した部屋、京都国立博物館に面した部屋など、さまざまだ。
 ハイアットリージェンシー 京都をより満喫するには、リージェンシー エグゼクティブスイートがお薦めだ。「日本庭園をきれいに見ていただくためにロビー階に設置しました」(木村さん)というスイートからは、ホテルのシンボルともいえる日本庭園の季節ごとの美しさを、全面の窓から眺めることができる。広いベッドのほか、琉球畳のモダンな和室に布団を敷くことも可能で、家族での滞在にも使い勝手が良い。エスプレッソマシン、香りの良い大きな天然のヒバ風呂も安らぎに一役買っている。

個性豊かなレストラン

和の雰囲気に包まれた明るいロビーは、天井高もあり、開放感溢れている。奥にはレストラン「ザ・グリル」がある

 朝食は、ロビー奥の「ザ・グリル」でいただくことができる。明るい庭に面したここでは洋食のブッフェを提供している。ハイアットリージェンシーの特徴でもあるオープンキッチンが活気を与え、新しい一日の始まりを感じさせる。天井が高く開放感がありながら、広すぎないため、非常に落ち着く空間である。
 日本料理「東山(TOUZAN)」は京都の古い民家をコンセプトに、デザインされ、古本が壁となり、古い面が飾られ、古い皿がディスプレーされるなど、アーティスティックな世界が広がり、迷路に入り込んだようだ。デザイナー杉本氏の「らしさ」が凝縮されている。「トラットリアセッテ」には明るい自然光が差し込み、シンプルで正統派のナポリスタイルのピッツァなどがいただけるほか、テイクアウト商品もそろっている。
 これらのレストランで腕を振るうシェフから直接教わるクッキングクラスがホテル内で定期的に開催され、人気が高いという。8人という少人数制のきめ細やかさも、3回で3万円という価格設定も、人気の一因だろう。単発での受講も可能という気軽さもまたうれしい。

日本料理「東山(TOUZAN)」隣接のバー。約4000冊の古本を壁に見立てた斬新な空間。他にもアンティークや古い梁が古民家を演出している

 スパ「RIRAKUスパアンド フィットネス」は、心、身体、魂のバランスを向上するための鍼灸もプログラムに取り入れ、鍼灸師が常駐している。鍼灸をホテルのスパに取り入れたのは、ハイアットリージェンシー 京都が最初だという。「RIRAKU」でも「ちどりや」の商品が使用されている。京都らしさにこだわったこのホテルらしい計らいである。
 歴史ある京都は奥が深い。街を歩くだけで、伝統に根ざした美意識を感じさせてくれる。楽しみ方が様々でリピーターが多く、京都へのオフィス移転や移住を考えるエグゼクティブも近年徐々に増えている。移住は難しい決断だが、京都らしさを大切にした居心地の良いホテルに数日間滞在し、伝統の美意識に浸るのは、ちょっと手を伸ばせば届く楽しみかもしれない。


ハイアットリージェンシー 京都
京都府京都市東山区三十三間堂廻り644-2
TEL 075-541-1234
kyoto.regency.hyatt.jp

文:羽田祥子(編集部)

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