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シャングリ・ラ ホテル 東京

シャングリ・ラ――見知らぬ人を歓待する不老不死の神秘の世界

 ラグジュアリーホテルが林立する丸の内・日本橋エリアに、満を持してシャングリ・ラホテル東京が開業する。期待値の高さを感じるとともにその期待に応えることは非常にチャレンジングであると気を引き締めている。「日本のお客様の求めるサービスレベルは非常に高いと思います。老舗ホテル・旅館はもちろん、デパートの店員に至るまで非常に礼儀正しく、かゆい所に手が届くようなサービスに慣れていらっしゃいます。そういった方々にもシャングリ・ラを選んでいただけるように質の高いサービスを目指しています」。(コミュニケーションディレクター武井絵美さん)
 シャングリ・ラといえば、『失われた地平線』(ジェームズ・ヒルトン著)に登場する、チベットの奥地にあるという古代ラマ教寺院の名である。見知らぬ人を歓待するという習慣を持つシャングリ・ラではすべての人が不老不死の妙薬を与えられ、神秘的な美しい世界として描かれている。そのシャングリ・ラの名を冠するホテルはきらびやかな美しさとともに、ゆったりとしていて、時が止まり今の瞬間にただ浸っているような心地良さに満ちている。

手作りのシャンデリアと座り心地のいい椅子と

 世界中のシャングリ・ラはそれぞれ、きらびやかな手作りのシャンデリアが非常に特徴的である。1階エントランスの円形のシャンデリアは東京都の木であるイチョウの葉をモチーフにしたもの。エレベーター内部の透明な手すりの中にはスワロフスキーのクリスタルが輝き、天井にもシャンデリアが光る。スペースごとにテーマをもってデザインされたシャンデリアは、チェコ製。作家はそれぞれ別だが手作りということは共通だ。例えばウェディングのテーマは「ヘブンリーウェディング」。チャペル「ザパビリオン」では真珠の粒が溢れてこぼれ出すような愛らしいチェコ製のシャンデリアが輝く。
 バンケットスペースは27階のワンフロア全体を占めている。ウェディング当日はワンフロア貸し切り状態となり他のゲストとすれ違うこともない。ハウスウェディングのアットホームさと、アクセスの良さ、高層階からの景色、ラグジュアリーホテルならではの質の高いホスピタリティー。これらすべてを堪能する贅沢を味わえる。足元には東京駅が、そしてその向こうに丸の内の新旧様々な建物を見渡し、皇居の緑をも堪能する。建築物好きな男性はそれだけでも大いに楽しめる光景だろう。
 28階にはロビーフロアが広がる。直線的な長方形のモダンなシャンデリアの下でチェックイン。後ろを振り返ると一面のガラスの向こうにロビーラウンジが広がる。アフタヌーンティーをいただきながら三方向に景色を眺める贅沢な時間だ。センターに位置するバーカウンターの上に覆いかぶさるように、曲線的なシャンデリアが広がる。入口にあるものとはまた違うイチョウモチーフのクリスタルを200個使用したというシャンデリアは、正方形に柔らかな曲線美を加えた存在感のあるオブジェにも見える。

ホテル全体にちりばめるように飾られたシャンデリアはいずれも息をのむ美しさ

 各所に飾られたシャンデリア一つひとつをとっても、その第一印象は確かにきらびやかだ。不老不死の楽園、シャングリ・ラをテーマとしていることからもそれは不思議ではない。しかし、押し付けがましい豪華絢爛とは一線を画している。随所に飾られた壁画は、古い中国の芸術を東京という新しい街に合うように、モダンな味付けを絶妙に施したものばかりだ。椅子やソファーも、一見して分かるようなデザイナーによるものではない。しかし、触ってみるとなんとも触り心地の良い布で、腰掛けてみると本当に座り心地の良い、落ち着けてゆったりとできる、そんな椅子ばかりなのである。時間が止まった不老不死の楽園、シャングリ・ラにいることを実感できるに違いない。
 レストランはロビーラウンジのほかに2つ、イタリアンと和食だ。入るとすぐ目の前に天井までそびえるワインセラー、奥まった階段を上がったところにひっそりとある2つのセミプライベート空間など、ブアイソー世代がビジネスに、プライベートに胸を張ってゲストを招待できるイタリアン。城壁の白い大きな石に囲まれたような空間で日本の良さをじっくり堪能できる和食。どちらを選ぶか迷うのもうれしい悩みになる。

癒やしのための贅沢

 29階に位置するプールとジムは宿泊者専用スペースだ。プールは二方向を全面のガラスで覆われ、常にプールサイドに溢れる水位を保っているため、水面に浮かんでいるとそのまま東京の空を泳いでいるような不思議な感覚に陥る。昼間の都会の景色はもちろんのこと、燃えるような赤い夕陽に包まれながら泳ぐ時間は、至福だ。プール隣接のジムスペースからも運動しながらガラス越しにこの景色を堪能することができる。設置されたマシンはどれも最新型のものばかり。iPodがつなげるUSBもついている。日頃の疲れを癒し、明日への鋭気を養うのにこれ以上のスポットはないだろう。別スペースに設けられたジャグジー風呂やサウナで体の芯をゆったりと溶かしたい。
 シャングリ・ラを訪れたからには、古代中国やヒマラヤの哲学に基づいた癒しのスパ、「CHI『氣』スパ」を一度は体験したい。中国哲学の五要素「火、木、土、金、水」に基づき、身体と心のバランスをとるトリートメントである。まずは簡単なカウンセリングでその日の気や状態を把握したのち、各人の状態に合わせた配合での施術を行う。着替えなども含めすべて個室の中で行われるため、バスローブ姿で他のゲストと顔を合わせる心配もない。敢えて外光を取り入れないことで、時を忘れてただその瞬間に浸る、時が止まった楽園であるシャングリ・ラならではのコンセプトを体現する場ともなっている。アジアスパアワード2008でも2つの賞を受賞した話題のスパだ。パートナーとの利用も楽しい。
 すべての客室は50平米以上。シャングリ・ラの名に甘えて時を忘れていつもよりゆったり朝を過ごしても、東京駅までは徒歩1分。やはりエグビーには外せないホテルになりそうだ。


シャングリ・ラ ホテル 東京
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
TEL 03-6739-7888(大代表)
www.shangri-la.com/jp

文:羽田祥子(編集部)

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