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ヤノベケンジ

ヤノベケンジ Kenji Yanobe
ミニ・ジャイアント・トらやん
(C)Kenji Yanobe 2009 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI
2009 ソフトビニル、他 H74xW50xD35cm edition of 100 262,500円(税込)
※作家直筆サイン入り

プロの眼

 1965年、大阪に生まれたヤノベケンジの原体験は、自宅近くの大阪万博会場跡地で遊んだこと。そこは、近未来的な建築物が無残な姿を晒す廃墟でした。90年代前半の彼は、妄想上の未来の廃墟で自分1人がどう生き抜くか、そのサバイバルをテーマに制作し、国内外で大いに注目を集めていたのです。
 ところが1995年、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が発生します。妄想のはずの終末世界が、現実となって立ち現れたのです。1997年、放射線感知服「アトムスーツ」を着て、1986年の原発事故以来立入禁止となっているチェルノブイリを歩いたヤノベ。重い衝撃を受けた彼はやがて、現実の廃墟からの再生=リバイバルをテーマとして制作するようになりました。その1つが、巨大ロボット『ジャイアント・トらやん』。今回ご紹介するのは、その1/10スケールのフィギア作品となります。(山本現代・大澤弥生氏)

 この作品の本体である「ジャイアント・トらやん」は、子供の命令だけに従うよう造られた子どもたちのための最終兵器。付属する「ミニ・ミニ・トらやん」は「トらやん」のミニチュアだ。「トらやん」は腹話術人形をベースに偶然が生み出した、ナニワの親父キャラ。着ているのは、作家自身の子どもと死の町チェルノブイリに住む少年をイメージしながら、3歳児サイズで造られた「ミニ・アトムスーツ」。偶然「トらやん」にもぴったりだったのだ。たぶん作家は、自分だけの妄想の世界から、子どもたちとともに歩む未来の世界へ、移り住んだのだと思う。(渡辺麻実)


作品についてのお問い合わせはギャラリーまで。
山本現代
東京都港区白金3-1-15-3F
TEL 03-6383-0626
URL:yamamotogendai.org

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