安田 豊

安田豊 Yutaka Yasuda スカートのなか 2009 キャンバスにリトインク、ミラー

© Yutaka Yasuda 2009 Courtesy of KIDO Press 安田豊 Yutaka Yasuda スカートのなか 2009 キャンバスにリトインク、ミラー 605×605mm 価格:¥70,000(- 税別)

プロの眼1979年福島県生まれの安田豊は、幼少期、爆発的に人気だったファミコンやテレビアニメを見て過ごした少年の一人。コンピューターと共に成長してきた彼は、インターネット上に氾濫するイメージを巧みに抽出し私的世界に昇華していくが、そこにはどこかアナログ時代へのノスタルジーが漂っている。今回紹介される作品に描かれているのも、そういった中から切り取られたイメージだ。女の子と女の子が密やかにキスをしている。二つの唇の隙間から、まるでカラーブラウン管の中で放たれる電子ビームのように鮮やかな色彩が弾けている。ポップな色使いでシンボリックに描かれた彼女たちには、夢見心地でありながらも、どこか物憂げなセンチメンタリズムが感じられる。自ら選び出したモチーフをアイロニカルな視点からこっそりとおかしむ自嘲的かつ揶揄的な作風は、今30歳前後の男性の皮膚感覚をありのままに表現したものと言えるだろう。 ( キドプレス・宇田川愛氏)

アナログとデジタルの混ざり具合が心地いい。ミラーを丸く切り抜いて所々に貼るといった手仕事ならではの素材感。一方で、白いキャンバスにピンク色を載せ、放射線状に色鮮やかな筆の跡をつけた上に白をかけることで、色味を抑えると同時に奥行き感を出す。これも手作業なのだが、理屈は「レイヤー」と同じだ。AdobeIllustratorのようなソフトウェアを使って絵を描くデジタルの作業に通じる。原色分解したみたいな発色で、丸いシールを切って貼ったみたいな、要するに「ピクセル」(画素)の集積のような画風もデジタルっぽい。でも、作家が意図しているのはむしろ、デジタル化の流れから取り残されたものへのオマージュ。子どもの頃熱中した「スーパーマリオ」の、ブラウン管ならではの“ジャミジャミ”した映像へのノスタルジー、懐かしさだ。(渡辺麻実)


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