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【Digital Library】『異類婚姻譚』『ダンジョン飯』1巻

冬の厳しい寒さも徐々におさまり、春の訪れを感じるこの季節、皆様いかがお過ごしですか? 私は毎年のことですが、花粉にやられてグダグダです。できるだけ外出を避け、家でじっくり本を読むことが多いこの季節です……。
 さて今回ですが、春といえば新生活の季節ということで、新しく出会う人との話題作りに役立つ「今、読んでおきたい賞作品」を2作品ご紹介したいと思います。

第154回芥川賞受賞作『異類婚姻譚』

 まずご紹介したいのが第154回芥川賞受賞作『異類婚姻譚』(本谷有希子/講談社)です。タイトルの「異類婚姻譚」という言葉は、もともとは民俗学などで使われる用語で、人間が動物や霊的な存在など「人ならざるもの」と結婚する昔話の型のひとつです。『鶴の恩返し』『雪女』『羽衣伝説』などが代表的なところでしょうか。
 本作品では、他人同士が一つになる「夫婦」という形式を「異類婚」と捉え、その不思議さが、著者ならではのユーモアと毒をもって描かれています。
 結婚して4年、専業主婦である主人公は、ふと、自分と旦那が似てきていることに気が付きます。そこから展開される日常は、徐々に不条理な状況にもつながっていくのですが、そこで描かれていることに、妙な腹落ち感と、ぞっとするような気味悪さを感じました……。
 読まれる人の立場や状況によっても、違った感想が出てくる作品かもしれません。いろいろな方の感想を伺いたい作品だと思いました。

『異類婚姻譚』 「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」——結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。第154回芥川賞受賞作!

『異類婚姻譚』
「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」——結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。第154回芥川賞受賞作!

『ダンジョン飯』1巻 ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう…。そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう!」。襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

『ダンジョン飯』1巻
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう…。そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう!」。襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

このマンガがすごい!2016オトコ編1位『ダンジョン飯』

 次にご紹介したいのが、「このマンガがすごい!2016」オトコ編1位だった『ダンジョン飯』(九井諒子/KADOKAWA)です。「食」は、コミックにおいて一大ジャンルに成長していますが、その中でも「食」×「ファンタジー」という新機軸を打ち出してきたのが本作品です。
 主人公たちは、とある世界でダンジョンを攻略しようとする冒険者で、その主人公たちの前には、スライムやドラゴン、動く鎧などのRPGなどでもよく出てくるモンスターが立ちはだかります。ここまでは、よくあるファンタジーものですが、この作品では、なんとそのモンスターたちを、“美味しそうに”調理して食べてしまうのです。
 普通に考えて、モンスターは「非日常」な存在ですが、日常的な「食」に落とし込むためには、リアルな設定が必要です。本作品ではそこに著者ならではアイデアが詰め込まれていて、作品の魅力につながっています。特に、動く鎧の設定は、なるほどな、と……。
 読んでいておなかが減る、不思議なファンタジー作品です。おススメです。

 さて今回は、「今、読んでおきたい賞作品」ということで2作品を紹介しました。話題作はばっちり押さえてくださいね!

おすすめ作品

つまをめとらば

青山文平(著)/文藝春秋
女が映し出す男の無様、そして、真価——。太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか——。時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。

鹿の王 上 -生き残った者-

上橋菜穂子(著)/KADOKAWA/角川書店
強大な帝国から故郷を守るため、死兵となった戦士団〈独角〉。その頭であったヴァンは、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。 その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾うが!?

ゴールデンカムイ(1)

野田サトル(著)/集英社
『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!


maeda (2)前田国敏(まえだ くにとし)

情報サイト/情報誌を運営発行する会社で商品企画を経験し、2012年にソニーマーケティング株式会社に入社。同年5月から、電子書籍ストア“Reader Store”の店長として、サービスを運営する。

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