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【Digital Library】『みなさん、さようなら』『黒子のバスケ』

「春」になりました。「春」といえば出会いと別れのシーズン。出会いと別れといえば「卒業」と「入学」が大きなイベントですね。今回はその「卒業」「入学」がキーワードになっている作品2タイトルを紹介したいと思います。

団地から出られなくなった少年の
成長物語『みなさん、さようなら』

 1冊目は『みなさん、さようなら』(久保寺健彦/幻冬舎)です。小学校の「卒業式」で起きたとある事件がきっかけで、団地という「閉じた世界」から出ることができなくなった少年が主人公の物語です。彼は自らの境遇を受け入れ、その「閉じた世界」の中で、生きていくことを決意します。その決意は世間の常識からみると屈折しているのですが、屈折しつつも、彼自身はとても前向きです。自らを鍛え、学習し、団地の中をパトロールし、働き口も見つけ、恋までします。しかし、「閉じた世界」に縛られていない小学校の同級生たちは、どんどん「団地」から巣立っていき、少年の世界にもじわじわと変化が訪れます。果たして少年の行く末は……。
 私自身、少年とはまったく違う人生を送っているはずですが、彼の感情や行動がリアルに思え、驚くほど共感できる部分が多かったため、最後まで物語に引き込まれっぱなしでした。
「勇気」を与えてくれて、最後にはじーんと涙も流させてくれる、本当の読んでほしい、おススメの一冊です。

「春」になりました。「春」といえば出会いと別れのシーズン。出会いと別れといえば「卒業」と「入学」が大きなイベントですね。今回はその「卒業」「入学」がキーワードになっている作品2タイトルを紹介したいと思います。

「春」になりました。「春」といえば出会いと別れのシーズン。出会いと別れといえば「卒業」と「入学」が大きなイベントですね。今回はその「卒業」「入学」がキーワードになっている作品2タイトルを紹介したいと思います。

『黒子のバスケ』(集英社)火神大我が入学先の誠凛高校のバスケ部で出会ったのは、黒子テツヤという超地味な少年。存在感も無さ過ぎる黒子に幻滅する火神だったが、実は彼は「キセキの世代」と言われた伝説の最強チームのメンバーで…!?

『黒子のバスケ』(集英社)火神大我が入学先の誠凛高校のバスケ部で出会ったのは、黒子テツヤという超地味な少年。存在感も無さ過ぎる黒子に幻滅する火神だったが、実は彼は「キセキの世代」と言われた伝説の最強チームのメンバーで…!?

史上、最も影の薄い主人公!?
『黒子のバスケ』

 2冊目は『黒子のバスケ』(藤巻忠俊/集英社)です。週間少年ジャンプ
で人気連載中のこの作品、すでにご存知の方も多いかもしれません。
 名門・帝光中バスケ部には「キセキの世代」と呼ばれる5人の天才と、幻の6人目がいました。その幻の6人目である黒子テツヤが、誠凛高校に「入学」し、バスケ部に入部するところから物語は始まります。
 よくあるスポーツ漫画では、主人公は目立つ存在であることが多いと思いますが、この作品の主人公・黒子テツヤは、とにかく影が薄い。その影の薄さを利用して、光の存在であるエースを輝かせることが自分のバスケだと考えています。
 かつて仲間だった「キセキの世代」天才5人は、それぞれ違うバスケの強豪校に「入学」し、強力なライバルになります。仲間と協力しながら、そのライバルたちと競い、刺激し合い、成長していく……。非常に「熱い!」ドラマが展開されます。
 個人的に、この作品の魅力は、登場人物たちがこれでもかと繰り出す「必殺技」だと思っています。「イグナイトパス(加速するパス)!」や「バニシングドライブ(消えるドライブ)!」など、ある意味、非現実的な必殺技たちは、往年の名作サッカー漫画『キャプテン翼』を彷彿とさせます。少年のころ、“キャプ翼”を楽しみに読んでいた方に、ぜひともおススメしたい作品です。

 さて、今回は「卒業」「入学」がキーワードになっている作品を2タイトル紹介しました。この時期やっかいな花粉症に悩まされている方も多いと思いますが、感動で涙を流したり、スポーツ漫画で熱くなったりすることで、花粉症の憂鬱さも、一時、忘れることができるかもしれません。花粉症で辛いときこそ読書をしましょう。

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前田国敏(まえだ・くにとし)
情報サイト/情報誌を運営発行する会社で商品企画を経験し、2012年にソニーマーケティング株式会社に入社。同年5月から、電子書籍ストア“Reader Store”の店長として、サービスを運営する

電子書籍ストアReader™ Store
ebookstore.sony.jp

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