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【Digital Library】『獄門島』『64(ロクヨン)』

 こんにちは。“Reader Store”店長の前田です。みなさん、新年をいかがお過ごしでしょうか? 読書に向く季節は「読書の秋」なんて言葉があるくらいなので、秋だと思われますが、寒い冬に暖かいコタツの中でじっくり読書なんて最高ですよね。そして、そんなシチュエーションにぴったりなのは、何といっても「ミステリー」です。今回は、ミステリーの中から新旧の名作2作品を紹介いたします。

国内ミステリーの金字塔『獄門島』

「三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ」瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が!

 まずは古典の名作から。日本を代表する推理作家、横溝正史著の『獄門島』(角川書店)です。
 みなさん「日本のミステリーに登場する名探偵といえば?」と聞かれて誰と答えますか? 明智小五郎、御手洗潔、浅見光彦、湯川学、犀川創平、江戸川コナン……など、数々の作品で名探偵が活躍しているのですが、日本を代表する名探偵として、外せないのが金田一耕介です。金田一耕介のシリーズは何度も映像化されているため、形の崩れた帽子に、ヨレヨレの着物とはかま袴 、興奮するとモジャモジャの頭をかき回す金田一耕介の姿を想像できる方も多いでしょう。『獄門島』は、その金田一耕介シリーズの3作品目にあたる作品です。瀬戸内海にある小島「獄門島」。そこに友人から遺言を託された金田一耕介が赴くところから物語は始まります。そこで展開される妖しく、残酷で、悪意に満ちた殺人事件の数々。金田一耕介は、どのようにこの怪事件に挑むのでしょうか……?
 この作品は、昨年末に発刊された「東西ミステリーベスト100」(文藝春秋)の国内ランキングで、新旧の数々の名作を押しのけ、堂々の1位。1985年に出た同ランキングでも1位で、まさに国民が読むべき代表的ミステリーと言っても過言ではないでしょう。未読の方はこの機会にぜひ「獄門島」を読んでみてはいかがでしょう?

横山秀夫が7年の沈黙を破って
送り出した「64(ロクヨン)」

たった7日間しかない昭和64年に起きたD県史上最悪の誘拐殺人事件。長官慰問を拒む遺族。当時の捜査員など64関係者に敷かれたかん口令。刑事部と警務部の鉄のカーテン。謎のメモ。長官視察の日に一体何が起きるのか? 驚愕の長編ミステリー。

 続いて、最近発行されたミステリーの中の注目作品です。『半落ち』『クライマーズ・ハイ』の横山秀夫が、7年のブランクを経て、世に送り出したのが警察小説『64(ロクヨン)』(文藝春秋)です。
 昭和64年に発生し未解決のままとなっている、D県警史上最悪の事件「翔子ちゃん誘拐殺人事件」をめぐり、物語は展開します。この作品の主人公・三上は、D県警にて報道機関との窓口を担う「広報官」。警察内組織間の対立や記者クラブとの対立、それらに挟まれて悩み、葛藤する主人公の思いが、丁寧に、かつリアルに描かれています。
 常に存在する緊張感と、張り巡らされた伏線の数々、まさに「濃密」の一言です。紙の書籍では600ページにもおよぶ本作ですが、怒涛の展開に、一気に読んでしまうこと間違いなしです。ちなみに本作品は、宝島社から毎年年末に発行されている「このミステリーがすごい!2013年版」(2012年発行)でも堂々の1位を飾りました。今、もっとも注目の警察小説と言えるかもしれません。読書のための時間をしっかりとって、この世界にどっぷり浸かることをおススメします。

 さて、古典ミステリー『獄門島』と、今注目の警察小説『64(ロクヨン)』の、新旧の名作を紹介いたしました。寒い日が続くと、外に出るのが億劫になりますが、読書をするには絶好の機会です。電子書籍なら、家に居ながら本を買うことも可能です。ぬくぬくのコタツの中で「読書の冬」をお楽しみください。

おすすめ作品
★東西ミステリーベスト100
文藝春秋(編)、文藝春秋
ミステリーファン必携のガイドが、27年ぶりにリニューアル! 現存するすべてのミステリー作品を対象として、国内、海外それぞれにベスト100作品を選出する。ランクイン作家の肉声や、練達の読み手によるランキング分析など、「死ぬまで使える」読書ガイド。
★聞く力
阿川佐和子(著)文藝春秋
「週刊文春」の名物対談が連載900回を超えた。いまだにインタビューに苦手意識があるという著者はなぜ相手の本音を引き出すことができるのか? 数々の失敗から会得した“秘訣”をインタビュー時のエピソードとともに初披露する。
★ヨルムンガンド(1)
高橋慶太郎(著)小学館
少年兵ヨナは、自分の家族を死に至らしめた武器を憎んでいた。だが、戦場で生きられなかったヨナがたどり着いたのは、武器商人ココの率いる私設軍隊だった。世界平和のために武器を売るというココ。武器を憎みながらも武器に頼るヨナ。2人の旅が始まる。

前田国敏(まえだ・くにとし)
情報サイト/情報誌を運営発行する会社で商品企画を経験し、2012年にソニーマーケティング株式会社に入社。同年5月から、電子書籍ストア“Reader Store”の店長として、サービスを運営する

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