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【Digital Library】『岳』『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』

楽しいはずの山。けれど危険に遭遇することもある……。山を愛する人すべてに捧ぐ、山岳救助物語!!

山と人をつなぐ主人公の言葉に注目

 こんにちは、“Reader Store”の店長・加藤です。この号は6月以降に皆さまのお手元に届くと聞いています。地方によってはすでに梅雨入りをしていたりと雨も多いですが、新緑がとても綺麗な季節でもあります。そんなことを考えながら……緑が豊かな「山」に関するコミックと、雨が降っている時に手にしていただきたい、そんな本を選んでみました。

 まずは、「山」をテーマにした作品。『岳』(石塚真一/小学館)です。このコミックは映画化もされているのでご存知の方も多いのでないかと思います。「山」に関するコミックといっても、シーンの多くはとても厳しい冬がメインで、そこでの人命救助(時には救えない場合もあります……)がストーリーの中心です。山の美しさよりも、厳しさや怖さを感じることが多い作品ですが、それでも主人公の「三歩」は、助け出した人がどんなに大きなけがをしていても「また、山においでね」と伝えます。時には、救出した後に頂上まで一緒に連れていくこともあります。これは三歩が山と真っすぐに向き合っているからこそとれる行動ではないでしょうか? 山の美しさ、楽しさ、厳しさ、怖さ、付き合い方……いろいろなことを知っているからこそ、人々と山との関係が途絶えることがないように、救助活動、そして救助できない時でも探索活動を愚直に続ける。その姿がとても印象的です。
 本格的な登山はすぐには始められないかもしれませんが……山の美しさを感じ取っていただくきっかけになればと思い、『岳』をご紹介しました。

ジュニアサッカーチーム・桜ヶ丘FCの武井遼介は、6年生になって早々に、キャプテンの座もレギュラーポジションも失い、初めて挫折を味わう。そんな中、新監督・木暮との出会いを通して、遼介は自分がサッカーをやる意味を見つめはじめる……。

思い出す少年時代の自分

 続いては、長雨の時にでも読んでいただきたい作品です。雨に関する本も考えたのですが……長雨でジメっとした気持ちを晴々とさせてくれるような作品を紹介したいなと。ご紹介する本は『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』(はらだみずき/角川書店)です。
 作品名の通り少年サッカーを題材に、真剣にスポーツに取り組む少年の悩みや葛藤、そしてひたむきさが描かれています。その小さな背中に秘める強さ、たくましさ、真剣さに触れることで、忘れかけていた少年時代の自分の姿を思い出すとともに、とても晴れやかな気持ちにさせてくれる作品です。
 地元のボランティアを中心としたサッカーチームでキャプテンを務める主人公「遼介」は小学6年生。サッカーボールをみんなで蹴るだけで楽しい。でも、無邪気に夢を持ち続けるには少し大きくなりすぎ、夢を簡単に諦めるには早すぎるそんな年頃。夢、サッカーをする意味や気持ちの違いがチームの中で少しずついびつとなり、影となっていきます。それでも、コーチのアドバイスや子供たち自身の意思により少しずつ成長していく姿。その姿に触れることで、大人になることで忘れてしまった大切な何かを思い出させてくれる、そんな作品です。
『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』は遼介が小学6年生の時のものですが、この後に数作品あり、主人公の成長を追いかけることができますので、長い雨の時などに一気に読んでもらえればと思います。ぜひともご一読ください。

おすすめ作品
★山登りの作法
岩崎元郎(著)ソフトバンククリエイティブ
人生の節目に登る人、出会いを求めて登る人、デート気分で登る人、ブームに乗ってファッション感覚で登る人、登山に対するモチベーションはさまざまだが、リーマンショックを引きずり経済が低調になるであろう今後も、自然回帰の基調は続くと予測され、引き続き登山は人気を博すであろう。そこで、門外漢にもわかりやすく、登山の醍醐味と実用的なノウハウを伝える本を提案する。
★パンク侍、斬られて候
町田康(著)角川書店
江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰かけていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずばりと斬り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき厄災をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった……。
★う(1)
ラズウェル細木(著)講談社
その香りは媚薬、その味は口福。読むと食べたくなるうなぎ漫画、開店! ――『酒のほそ道』のラズウェル細木が挑む、人類初のオンリーうなぎ(食うだけ)漫画!! この“う”話は、呉服屋の若旦那・藤岡椒太郎がうなぎをおいしく食べ続けるだけの漫画です。

加藤 樹忠(かとう しげのり)加藤 樹忠(かとう しげのり)
2001年ソニーマーケティング株式会社入社。2010年から 電子書籍のビジネスを担当し、同年12月、ソニーの電子書籍リーダー“Reader”(リーダー)の日本発売に合わせ、電子書籍ストアReader™ Storeを立ち上げる。現在、店長として当サイトを運営する

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