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次世代のリーダーを育成する日本政策学校が開校
情報の多様化により
真実を見分ける目を養う
基調講演はジャーナリストの上杉隆氏。2011年いっぱいでのジャーナリスト活動無期限休止を宣言しており「もうすぐ元ジャーナリストと言われるんですけど」と口火を切った。ちなみに、上杉氏はシンポジウム後の10月20日に行った小沢一郎議員の記者会見においての読売新聞記者への暴言により、自ら立ち上げた自由報道協会の暫定代表を辞任届を出した。
上杉氏は言論空間の不健全さを是正することに注力していると述べ、元経済産業省大臣の鉢呂吉雄議員の辞任問題を例に、既存メディアだけの一元的報道の怖さを語った。その上で、震災以降活発化しているソーシャルメディア上でのジャーナリストの活動や、一般ユーザーによる情報交換などの例を挙げ、情報の二元化により情報の真偽の検証ができるようになったと述べた。
情報を出す側も受けとる側も自己検証が必要だ。上杉氏がかつて勤務していたニューヨーク・タイムズには毎日内部による自己批判のページと、訂正のページが1ページずつ掲載されていたという。それを幼い頃から見ている読者は「報道は必ずしも正しいとは限らない」ことを学び、受け取る情報の精査を行う。
「日本のメディアはうそには寛容だが間違いには厳しい、しかし、日本以外のメディアは間違いに関しては寛容だが、うそをついたらそこで終わりです」(上杉氏)。
ソーシャルメディアにより情報が多様化し議論が収斂する。多様化によって混乱するのではなく、逆に真実を見分ける目を養うのだと上杉氏は言う。インターネットの世界でデマがとんでもない速さで広まることがあるが、単なるデマだったと収束するのも早いのは、多方向から識者が意見を述べられるからだ。
情報を受け取るだけでなく、発信できるインフラを手に入れたことにより、政治の世界は変わるのだろうか。
ソーシャルメディアが持つ公共性は
「政治活動におけるポテンシャル」
続くパネルディスカッションは衆議院議員・世耕弘成氏、佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏、KLab代表取締役社長・真田哲弥氏が登壇。元アイ・エム・ジェイ社長で現在は広島県広報総括監の樫野孝人氏がスカイプで参加した。
選挙とソーシャルメディアの方向性や、ソーシャルメディアはフラットに有権者の目線に立つものなのかなどについて意見が交わされた。
月に4000人ほどしか閲覧のなかった武雄市のホームページをフェイスブックに切り替えることにより340万人/月にし、話題となった樋渡氏は、「いいものはまねをされるので、“武雄モデル”として広まり、ALL JAPANになればいいですが、あくまでも結果でしかない」と述べた。武雄市の選挙投票率は80%だといい、ユーストリームで中継される市議会は時にケーブルテレビで視聴率50%近いこともある。これだけ政治に対して関心が高いのは「市民用語で話すことと、ITリテラシーを上げる努力をしていること」の結果である。市議会にいつでも意見を述べることはできるが、意見を述べるためにはフェイスブックが使えなくてはならない。そのための講習会を武雄市では毎週のように開催しており、講師が足りない場合は市長自らが務めるという。
国政を預かる世耕氏は、インターネットが担う政治活動への期待を抱き続け、さまざまなことを試してきたが、結論として選挙戦には影響がないとしている。しかし、メディアや有権者からの攻撃に対して反論できるツールとしては有用であるとも。双方向性になることによって、共感性が上がる要因にもなる。
樫野氏はフェイスブックがアメリカのプラットフォームだということに危惧を抱きながらも、県民の声なき声を聞くためには絶好のインフラだと述べ、2015年にはウインドウズ95以降に生まれた人が20歳になるため、ますます活用の場は広がると予測した。樫野氏は現在、広島県で広報活動を行っているが、インターネットを利用することで向上する行政サービスが多々あるという。ネットという公共性の高さから、各行政サービスの見える化が進み、比較検討されることによって、各々の行政サービスも向上していく。
民間企業側の意見として、フェイスブック上で転職活動ができるサービスを開始するKLabの真田社長は、そのサービスを「ネット上でのコネ採用」といい、選挙活動にも十分活用できると指摘する。しかし、自社でも機密漏えいが起こる危険性が常にあり、自由に発信できることは責任を伴うことだと十二分に教える必要があるとした。
それぞれに、ソーシャルメディアが持つ公共性について「政治活動におけるポテンシャル」と認めながらも、個人レベルのモラルやリテラシーの問題など、解決すべき課題もあるとした。
日本政策学校
j-policy.org
文:川口奈津子(編集部)
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