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【News Weaver】健康を維持する方法(パリ)

膨らむ国民保険支出 政府が健康キャンペーンを実施

膨らむ国民保険支出
政府が健康キャンペーンを実施

 フランスは、100歳以上の人口が1万5000人に達する長寿国(フランスの人口は約6500万人)。とはいえ、近年では質の悪い栄養摂取が原因で、心臓血管病や重度の糖尿病、がん、骨粗しょう症などの患者が増えている。国民保険支出は膨張して年間約50億ユーロになり、そのうち質の悪い栄養摂取が原因の支出は約8億ユーロを占める。そこでフランス政府は、国民健康管理運動として「1日に最低5種類の野菜と果物を食べよう」キャンペーンを始めた。特に、小・中・高校の食堂から食の改善を図っている。肉中心の食事から、野菜と果物中心の食事にしよう、肉だけでなく魚も食べようという流れができている。実際、世界的な寿司ブームやダイエットブームで、フランス人も以前より魚を食べるようになってきている。また、「子どもの食育促進」を掲げる政府認定協会や、「バランスの取れた食生活および肥満防止運動」を行う政府認定NPOなどの民間組織も多数ある。
 それから、フランスでは主治医制度が推奨されているので、自分の主治医がいる人が多い。そのため、自分の既往歴をよく知っている医師から定期的に検診を受けることができ、病気の早期発見・早期治療につながっている。ちなみにフランス人はすぐ薬に頼る人が多い。薬価が低いにも関わらず、薬剤費は総医療費予算の20%弱を占めている、ヨーロッパ第一の薬消費大国だ。

人気が高まってきているBIOのスーパー

人気が高まってきているBIOのスーパー

 さて、不健康がもたらす弊害は、何といっても場合によって働けなくなってしまうことだが、健康を維持するために、実際フランス人は何をしているのだろう? アンケートをとったところ、「オメガ3を摂取するようにしている」(オメガ3:鮭、イワシ、サバ、植物油などに含まれている脂肪酸のこと。心血管疾患のリスクを抑えたり、コレステロール値を下げたりする)、「ジンやウオツカなど、強すぎるアルコールは飲まないようにしている」「水をたくさん飲むようにしている」「不足しやすい栄養はサプリメントで補給している」「ランニングをしている」「水泳、ヨガ、ピラティスなどの運動をしている」「BIO(ビオ/オーガニック)の野菜や果物を食べるようにしている」など。確かに、公園や路上でランニングに励んでいる人の姿をよく見かけるし、スポーツのクラスに通う人も多い。また、BIOの人気は高まるばかりで、BIO専門店の数は増えている。BIOの店には豆腐や海草類まで売られていて、フランス人の食に対する意識変化がうかがえる。
 そうはいっても、フランス人はあまりストイックに健康を追求したりはせず、おいしい物や食べたい物を適量食べ、夏やクリスマス時期に長い休暇をとってリフレッシュし、男女とも、生涯、異性に対してのアピールを怠らない。そういう人生を謳歌しようとする態度が、結局は長寿の秘訣かもしれないとも思う……。


パリ在住 土井彩子

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