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【実践サバイバル投資術】オススメ投資法簡易診断

バブルもショックも乗り越えて

【実践サバイバル投資術】オススメ投資法簡易診断

「ほったらかし投資で3億円?」

 相場が堅調になると、知人や友人から投資に関する相談を受けることが多い。市場関係者として投資に興味を持っていただくのは嬉しいし、声をかけていただけるのも大変ありがたい。しかし、質問する側が共通の問題を抱えていることが多い。相談の内容はたいていこんな感じ。
「トルコリラ債が利率が高くて儲かるって友達から聞いたんだけど、今買ったら儲かる?」
「証券会社の営業マンにいろいろ教えてもらって、〇×株を買ったんだけど、下がっちゃって。どうすればいい?」
「“ブラジルレアルなんとか投信”ていうのを持っているんだけど、これってどう?」
「FX専門なんだけど、なかなか儲からないんだよね。他にいいものない?」
 これらに共通しているのは、投資に関する誤解だ。楽して大儲けできるという過大な期待と言い換えてもよい。週刊誌には「FXで100万円を3億円にした」とか「株で儲けて田舎暮らし」といった撒き餌のようなマネー記事がある。また、業界関係者による「長期投資はラクチン」とか「ほったらかし投資がイチバン」といったものも多い。それらが頭の中でミックスされ、「ほったらかし投資で、100万円が3億円」という新たなストーリーになっているようだ。

まずは相場の位置を知る

nakatani (8) 冒頭に相場水準の話を出したのは、それが投資パフォーマンスに最も影響するからだ。図1は日本の株式市場全体の値動きイメージだ。2008年秋のリーマンショックの後、世界的な株価の大底は2009年3月だった。日本は当時の日銀による円高容認政策のせいで世界の不況を一手に引き受けることになり、諸外国の株式市場が2009年春から大きく回復する中、2012年まで低迷を続けていた。株価が大きく戻し始めたのは、アベノミクスが始まった2012年末で、各国から4年遅れだった。図中①の2012年末から2014年ぐらいまでが、ほとんどの株が上がる「サルネコ相場」である。理想を言えば、2009年から2012年半ばまでの長い低迷期に底値で仕込んでおけばよいのだが、途中で破綻する企業も続出するので、胆力も分析力もいる。だから、多くの投資家にとってストレス少なく投資ができ、かつパフォーマンスが良い時期が①なのだ。2015年は株価指数は続伸したが、銘柄によって差が出た。7年~10年の相場循環で言えば、たぶん天井圏にあるだろう。2016年はおそらく後半から2017年にかけては何回かの下落がありそうだ。その場合、「おっ。かなり安くなった。出遅れ分を取り戻してガツンと稼ぐぞ」などと考えて、投資経験が浅い投資家が飛びついてしまう「インテリトラップ」となる。2006年から2007年と同様の局面ともいえるだろう。
 こう考えてみると、今が投資を始めるのに最適なタイミングかどうかはかなり疑問だ。ちなみに、世界的な株価暴落となると円高ドル安となることが何回となく繰り返されてきた。今回もそうなるなら、トルコリラ、豪ドル、ニュージーランドドルなどの値動きが激しい通貨に投資していたらかなりの損失を被ることになりかねない。


doi-san土居雅紹(どい まさつぐ)
eワラント証券株式会社COO。CFA協会認定証券アナリスト、証券アナリスト協会検定会員。1964年静岡県生。88年一橋大学卒業後、大和証券入社。証券アナリストとして活躍。93年米国ノースカロライナ大学経営学大学院にてMBA取得。大蔵省財政金融研究所などを経て、ゴールドマン・サックス証券へ。00年同社でeワラントを開発・導入。11年8月より現職。時代に合った投資方法を研究、その分析力には定評がある。

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